第9回 環境コミュニケーション大賞

テレビ環境CM部門

受 賞 一 覧

 

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大賞(環境大臣賞)  1点

事 業 所 名

CMタイトル

本田技研工業(株)

「ランプカー・街」篇

 

優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)  5

事 業 所 名

CMタイトル

大阪ガス(株)

エネルギーPR「高効率」篇

(株)カタログハウス

通販生活 1998年秋の特大号 お見合い篇

キリンビバレッジ(株)

「ありがとう」篇

仙台市

「3つのRでごみ減量/3Rの歌」篇

松下電器産業(株)

企業リサイクル「母と娘の冷蔵庫」篇



第9回環境コミュニケーション大賞 テレビ環境CM部門 講評

 

大賞(環境大臣賞)

 

本田技研工業株式会社 「ランプカー・街」篇

「京都議定書が発効した年にふさわしい環境テレビCM。車をランプに見立てることでCO2の排出を可視化したのはインパクトがあり、車の燃費のよさがCO2削減につながることがよくわかる。またそれを実現した車に次々と変化することで、環境市場の充実と企業の環境への取り組み・メッセージがよく伝わった。  今回大賞に選ばれたが、決して車社会を肯定するものではない。環境のリバウンド効果が出ないように、乗りすぎには注意を促してほしい。

 

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優秀賞(地球・人間環境フォーラム理事長賞)

 

大阪ガス株式会社 エネルギーPR「高効率」篇

「世の中豊かになったって言われているけど、それって将来の分を先に使っているだけじゃないのかい?豊かになった分、ちゃんと賢くなっているのかなー」の冒頭での北野武氏のコメント。環境問題の根底にある"持続可能性"(サステナビリティ)の哲理をこれほど分かりやすくかみくだいた表現はなく、環境CMの真骨頂をいっている。

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株式会社カタログハウス 「通販生活 1998年秋の特大号 お見合い篇」

 98年にオンエアされたゴミ分別をネタにしたやや古いCMだが、今でも十分に通用しそうなところが何とも悲しいことではある。容器包装リサイクル法が本格施行された翌年に、知る人ぞ知る"日本一の分別男"漫画家やくみつると"環境派女優"市毛良枝(翌99年に環境省の環境カウンセラーに登録される)を起用したキャスティングの妙、たたみかけるテンポのよさ、そしてユーモア。秀逸である。カタログハウスの信念が生み出したCMといえよう。何を今頃になってと思う人もいるかもしれないが、今ここにテレビ環境CM優秀賞を贈ることに何のためらいもない。

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キリンビバレッジ株式会社 「ありがとう」篇

 15秒と短いCMながらも、シンプルでわかりやすく、メッセージ性があり、大人から子供まで、興味を引くよう工夫がなされている。ペコロジーという造語も印象深い。また、ペットボトルの捨て方も実際のアクションにより表現され(キャップとフィルムを外し、容器をつぶす)、容易に理解できる。従来品より重量を3分の2軽量化した企業努力にも好感が持てる。消費者が環境配慮行動を起こす一つのきっかけとなる良好な作品である。

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仙台市 「3つのRでごみ減量/3Rの歌」篇

 CMの重要な問題点は「カネが掛かる」ことである。このことが「CMは大量生産したものを大量消費させるための販促活動の主役」という前提に付帯するため、広告主企業を選別してきた。そして仙台市のCMは、その問題点を見事にクリアする例なのである。この安くつくったわりには効果的な15秒CMを、多分、テレビ局に安く提供させた時間枠にはめ込んでする広告(というより広報活動だが)に、他の自治体も見習うべきだと思われる。

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松下電器産業株式会社 企業リサイクル「母と娘の冷蔵庫」篇

 人や子供の成長を見続けてきた家電にも想い出は残る。家庭で最も使用頻度の高い冷蔵庫を通して、家族との暖かな関係が良く表現されているだけでなく、今日国際的にも注目されている「モッタイナイ」という価値観と結びついていた「良い品を大切に長く使うこと」を冷蔵庫という分かりやすい例でメッセージ化できている。
 更に「ありがとう」の気持ちがいつの間にか視聴者自身の気持ちとなり、家族を支えてくれた家電をリサイクルしたいという意識を高めている。まさに環境の「モッタイナイ」と「蘇えり」のコラボレーションである。

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