NSCニュース No.103/2016年9月中小企業の企業価値向上を図るエコアクション21 

2016年11月15日グローバルネット2016年9月号

エコアクション21中央事務局 事務局長 森下 研

日本の環境対策のカギを握るのは、産業界において最も大きなシェアを占め、サプライチェーンを支える中小企業である。環境省では、中小企業にとって使いやすい、より効果的な取り組みの実践を第一に考えた、日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)である「エコアクション21(EA21)」を策定している。EA21を活用すれば、比較的容易に、かつ効率的に環境経営に取り組むことができるため、現在全国で約7,800の中小事業者がEA21の認証を取得している。

●わかりやすく、使いやすいEMS  

EA21は、わかりやすく、使いやすいことを重視しており、中小企業でも取り組みやすい環境経営システムの在り方をガイドラインとして定めている。例えば「環境への負荷の自己チェック」「環境への取り組みの自己チェック」の二つのチェックリストを用意し、自分たちの現状が簡単に把握できるよう工夫されている。

●取り組むべきことがわかる  

二酸化炭素(CO2)、廃棄物などの削減には必ず取り組むことが定められている他、把握すべき環境負荷の項目と取り組みについて具体的に示しているとともに、環境経営に当たっての必須要件も定めており、初めてでも具体的な環境保全活動が始められるようになっている。

●環境活動レポートを作成  

「どういうことを、どういう考えでやっているのか」を社会に対して明らかにする目的で、環境活動レポートの作成と公表が必須になっている。環境報告をするということは、自らの環境活動を推進し、社会からの信頼を得ることにつながることとなる。そしてそれは、自社に対する社員の誇りにもなる。レポートの作り方は企業によってさまざまであり、社員参加型で手作り感満載のところもある。

●認証と審査の費用  

認証・登録には、審査費用と、認証・登録料(更新登録料)が掛かるが、 30人規模の企業が30万円以下でできることを目安に設定されている。コスト負担が抑えられるところも、EA21が取り組みやすい理由の一つである。

●EA21取り組みのメリット、効果  

EA21を活用して環境経営に取り組むことで得られるメリットはさまざまあるが、とくに大きい点は経営面の効果も期待できることである。より環境に負荷をかけない事業運営を心掛け、無駄をなくすことで、経費の削減、歩留まりや生産性の向上につながるのである。  また、多くの金融機関で、EA21に取り組む事業者向けの低利融資制度が行われている。これは金融機関としての社会貢献という側面だけでなく、EA21に取り組んでいる企業は貸し倒れリスクが低いという調査結果があるからである。企業がEA21に取り組むと、目標達成のためにPDCAサイクル※が回せるようになり、それも社員参加型でやるため、社員自らが考えたり、工夫をするようになる。さらに環境に取り組むことは地域貢献、CSRにもつながり、社員も自社に対して誇りが持てるようになる。  多くの大手企業において、環境への取り組みや、EMSの構築を取引条件の一つとするサプライチェーンのグリーン化が進んでおり、EA21はそれにも対応している。自治体によっては、入札参加資格審査で加点を受けることもできる。さらにもう一つ、EA21の大きなメリットは、審査の際に審査人による指導、助言を受けられることである。  

現在、EA21の10年継続企業は、800社ほどの企業で、「コスト削減につながった」「社外からの評価が高まった」など、企業価値の向上が実現している。環境省では、EA21の普及促進のために、バリューチェーンの価値向上に取り組む大手・中小事業者の実践例をまとめた冊子や、EA21に取り組む企業をサポートする事業(EA21 CO2 削減プログラム Eco-CRIP補助事業)も用意している。ぜひ活用していただきたい。  EA21に関する問い合わせはhttp://www.ea21.jp/index.html

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