環境条約シリーズ295 IUCNの総会に当たる世界自然保護会議の第6回会合

2016年12月15日グローバルネット2016年10月号

前・上智大学教授 磯崎 博司

国際自然保護連合(IUCN)の総会に当たる世界自然保護会議(本誌1996年12月)の第6回会合が2016年9月1〜10日までハワイのホノルルで開かれた。今回のテーマは、Planet at the Crossroads(岐路に立つ地球)であり、役員選挙や次期活動計画とともに、約100件の決議(内部向け)および勧告(外部向け)が提案され、承認された。

それらの提案の大半は事前に承認されたが、以下の各提案は重要であり会期中の検討が必要とされ、審議の上で承認された。 それらは、環境損害を生じさせる産業活動・インフラ開発の際の生物多様性保護区に関する提案、国家管轄権を超える区域における生物多様性の保全および持続可能な利用に関する提案、自然資産に関する提案、生物多様性オフセットに関するIUCN政策に関する提案、エコツーリズム基準の改善に関する提案、アブラヤシ林の拡大と操業による生物多様性への影響の緩和に関する提案、象牙の国内市場の閉鎖に関する提案、私有地における自主的自然保護の推進と支援に関する提案、原生林・古代林・未伐採林の保護に関する提案、効果的な海洋生物多様性の保全のための海洋保護区面積の増加に関する提案、気候変動パリ協定へのIUCNの対応に関する提案、気候変動レジームにおける海洋の役割の重視に関する提案、生物多様性に関する企業の取り組みの測定・評価・報告手続きの強化に関する提案、そして、湿地における狩猟用の鉛製銃弾使用の段階的廃止と非鉛製の代替銃弾への置き換えに関する提案であった。

また、次期活動計画(2017~2020年)は、自然の尊重と保全、効果的で公平な自然資源管理の促進と支援、および、気候・食糧・開発の問題に対する自然由来の解決策の普及という3本柱を中心にすること、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を重視すること、そして、多様な利害当事者に働き掛けることを定めている。なお、総会に併せて開かれた世界自然保護フォーラムにおいては、900以上のワークショップや展示集会などが開かれた。

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