特集/持続可能な地域づくりを受け継ぐ「南信州いいむす21」のこれから~地域で求められている仕組みを目指して

2016年11月15日グローバルネット2016年11月号

夏目光学株式会社 取締役管理本部長
本田 英則(ほんだ ひでのり)

夏目光学株式会社は、レンズ・光学応用機器の製造・販売を行う長野県飯田市に本社を置くレンズメーカーですが、地域ぐるみ環境ISO研究会に参加する一事業所として、飯田版環境ISO「南信州いいむす21」の運営側で認証の審査や訪問支援の活動に参加してきました。

環境ISOの取得意義

事業所は主要顧客を維持するために「南信州いいむす21」を取得するケースが多いようで、私が審査や訪問支援を行った事業所ではマネジメントツールとして活用することを前提としている事業所はなかったように思います。しかし、マネジメントツールとして使えていないと環境の取り組みが一過性の活動に終始し、事業所の一部の人向けの仕組みに過ぎなくなる可能性が高いと感じています。訪問支援は適宜行われていますが、「南信州いいむす21」の取得目的がそれぞれの事業所で異なる中で、形骸化しないような支援、取得事業所にとって有益な支援の在り方が必要だと思います。

環境ISOは取得したから売上が上がるとか、経営が大きく改善されるとかいったものではなく、使いこなせなければ事業所にとっては金食い虫に過ぎません。認証の維持が目的ではなく、活動を通じて企業・組織の価値を高める活動にし、取得意義をさらに高めていくことが理想の姿だと思います。「南信州いいむす21」認証取得の目的は事業所ごとに異なると思いますが、社会的責任が重要視される中で、その目的を今一度明確にしていくことが重要です。

南信州いいむす21のこれから

2001年に「南信州いいむす21」の取り組みを開始して15年が経過しました。「南信州いいむす21」の運営においては審査員の人的資源の確保と力量の向上や取り組み事業所間のコミュニケーションなど課題もあります。

地域ぐるみ環境ISO研究会の発足20周年の節目を迎え、「点(事業所)ではなく面(地域全体)で環境を良くしていこう」という「南信州いいむす21」をスタートした原点に戻って今、この地域で必要な取り組みは何か、求められている仕組みはどのようなものかを考え直す時期を迎えています。

タグ: