環境の本抵抗と創造の森アマゾン-持続的な開発と民衆の運動
コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から

2018年03月30日グローバルネット2018年3月号

抵抗と創造の森アマゾン -持続的な開発と民衆の運動

編●小池 洋一・田村 梨花

本書は、南米ブラジルにある「地球の肺」アマゾンで起きている環境と開発の問題を、民衆の視点から考えようという思いから編集されている。アマゾンで起きている問題を、日本とまったく無縁の他人事として考えるのではなく、3.11を経て暮らしや社会の在り方を根本から変革する必要に迫られている「はずの」日本に暮らす私たちが、自分事として捉え直す必要があるという編者の思いが、11本の論文の随所に表れている。アグロエコロジーやフェアトレードへの挑戦、土地なし農民運動、都市貧困地域での教育の取り組みなどの事例は、従来の経済発展や消費主義を超えた持続可能な社会の新たなモデルとして、日本の私たちにも大いに参考になる。 (現代企画室、2,700円+税)

 

 


コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から

著●西原 智昭

1989年から25年以上にわたって、国際的な自然保護NGOであるWCS(本部・ニューヨーク)のコンゴ共和国支部・自然環境保全顧問として、野生動物の保護に携わった奮戦記。

ゴリラの研究で著名な京都大学総長の山極壽一氏の推薦文にあるように、西原さんも同大卒業の理学博士でフィールド研究者。墜落したセスナ機からの生還、研究対象のゾウに襲われ、命拾いをした話なども紹介され、痛快な読み物として引き込まれるが、日本が印章の材料として珍重するためマルミミゾウの密猟がいまだに絶えないことなど、途上国での自然保護活動の難しさが紹介されている。深刻なテーマでも、全体にユーモアあふれる一冊になっているのは筆者の野生動物や現地の人々への愛情にあふれているからか。 (現代書館、2,200円+税)

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