事例7:生ゴミ管理、分別収集と堆肥化 許 ト卿/釜山広域市 政策開発室都市経営研究部上席研究員 |
1994年は、釜山市で産業と人口が急速に伸びたために、廃棄物管理が課題となった年でした。当時、各家庭のからの廃棄物と生ゴミはともに埋め立てられており、廃棄物全体の排出量は4,600tでした。そのうちの21%がリサイクルされていましたが、77%が埋め立てられ、生ゴミの占める割合は31%でした。
当時、埋立地のいくつかはすでにいっぱいに近い状態でしたが、新しく埋立地をつくることに関しては住民の大きな反対にあっていました。
市では生ゴミの減量方法を模索し始めました。こうして現在の生ゴミのリサイクル事業がはじまりました。この事業は家庭から出る生ゴミを毎週回収し、分解を促進する菌をほどこし、それが農家に送られ、有機肥料・家畜の飼料がつくられるというものです。目標は、生ゴミを埋立地・焼却場に持っていく量をゼロにすることです。
このプロジェクトはまず、団地の女性協会が自発的に始めました。それは、技術的指導を大韓民国赤十字釜山支部所から受けるという形で進められました。
この小さな成功が伝わり、他のコミュニティーに普及していきました。釜山市は16の区から成っており、その平均人口は24万8,000です。
釜山における世帯数は約100万です。このうち95年の時点で参加した世帯数は15万、すなわち約13%の世帯が参加していたということになります。それが徐々に他の区へと普及するにつれて増加していき、1999年には50万世帯、約45%が参加するに至りました。現在さらに伸びて、参加世帯数は全体の50%にのぼっています。
このプロジェクトの成功の鍵は、一つには、そもそもこれは自発的な小さなグループであった女性協会が始めたということです。今現在、例えば釜山市の場合を考えますと、人口の約3割がそういったアパートに住んでいる人たちです。ということは、地域のグループがこういったことに参画してもらうには、アパートという単位を活用するということは非常に便利なやり方といえるでしょう。もう一つ、市の当局と地域グループが密接な関係を築きながら一緒になってやったということです。それによって生ゴミの焼却効率の向上が達成できた、同時に地下水の二次汚染の減少にも貢献できたということは、大きな成果です。
表1 1994年の廃棄物の一日当たり排出量と管理
廃棄物排出量 | リサイクル | 処理量 | ||
小計 | 埋立量 | 焼却量 | ||
4,600(100%) | 985(21%) | 3,615(79%) | 3,546(77%) うち生ゴミ1,426(31%) | 69(2%) |
表2 参加世帯数
年 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 |
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世帯数 (%) | 150,000 (13.6%) | 224,000 (20.4%) | 292,000 (26.5%) | 350,000 (31.8%) | 500,000 (45.5%) |
年 | 1995年 | 1999年 |
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搬入量 | 2,899トン/日 | 1,949トン/日 |