札幌市は積雪寒冷地に位置しており、雪との関わりが深い。省エネにしても冬の生活をいかに北国に適したものにしていくかによって大きな効果を上げることができることに着目し、例えば事業者行動に「融雪機、ロードヒーティングの適正利用、省エネ化に努める」「排雪の共同化等の効率化に努める」「雪に親しむ」等、「雪」を意識したローカルアジェンダ21づくりを行った。

 

  ローカルアジェンダ21さっぽろ(北国のエコアクションさっぽろ)

  平成9(1997)年11年

  札幌市

  平成7年12月に「札幌市環境基本条例」を制定し、その中で、市民、事業者等の自発的な活動の支援や地球環境保全のための施策の推進等を規定していることから、「アジェンダ21」の理念に基づき、札幌市民、札幌市内の事業者、札幌市が主体的に行うべき、地球環境保全のための具体的な行動計画を「ローカルアジェンダ21さっぽろ」としてとりまとめた。 

 

  学識経験者、市民団体関係者、企業関係者、行政(札幌市)で構成する「札幌市環境保全活動推進会議」を設置し(平成8(1996)年)、協議・検討した結果を基に策定した。

 

  1. 策定時の市民参加
・ ローカルアジェンダ21の検討組織に市民団体関係者(12人)に参加してもらった。
・ 「札幌市環境保全活動推進会議」で協議・検討した素案に対する市民意見を公募し(意見数147件)、ローカルアジェンダ21に反映させている。

2. 実施における市民参加
・ 「環境家計簿札幌市民版」の配布(6,000部)
・ 「さっぽろエコクラブ1万人の輪」会員数(1,100人)

 

  ○ 構成
ローカルアジェンダとは,
  T地球環境問題と札幌市

U環境保全のための市民の行動  
1.冬(雪)に関わる行動 2.環境に配慮したライフスタイル

V環境保全のための事業者の行動  
1.環境と経営理念 3.事業者の共通的取り組み  2.冬(雪)に関わる取り組み 4.事業分野ごとの取り組み

W環境保全のための行政の行動  1.行動の支援 3.率先エコ事業編  2.率先エコオフィス編 4.推進体制

X行動計画の推進  1.ネットワークの充実 2.フォローアップ 環境保全活動に関する問い合わせ先


○ 対象期間:21世紀初頭

○ フォローアップ
1. 行動計画の啓発
2. 行動の実施状況の把握
3. 行動の評価及び行動計画の見直し

 

  ・ 冬(雪)に関わる行動 札幌市は積雪寒冷地に位置しており、冬(雪)との関わりが深いことから、冬(雪)に関わる行動計画を盛り込んだ。

・ 事業分野別行動計画 事業所の共通的取り組みに加えて、国の基本計画の事業分野を参考として、事業分野別の行動計画を盛り込んだ。

 

  数値目標は示していないが、内容は、すぐにできる具体的行動として「T地球環境問題と札幌市」の中に盛り込んでいる。

 

  冬(雪)に関わる行動計画を市民及び事業者の取り組みの中に盛り込んでいる。

U環境保全のための市民の行動  
1.冬(雪)に関わる行動  エネルギーの節約  自動車の適切な利用  住まいの工夫  親雪

V環境保全のための事業者の行動
2.冬(雪)に関わる取り組み  エネルギーの節約  自動車の適切な利用

 

  以下に示す9個の事業分野を設定し、各事業分野独自の行動計画を盛り込んだ。

○ 建設業者
○ 販売業者
○ 廃棄物処理業者
○ 製造業者
○ エネルギー供給事業者
○ 運輸事業者
○ ホテル事業者
○ その他の各事業者
○ 業界の団体

 

  数値目標は設定していないが、ローカルアジェンダを具体的に進め、その実施状況を把握するため、以下の方策を実施している。

・ 市民の行動計画の推進方策 「環境家計簿札幌市民版」の作成・配布(平成10(1998)年5月作成)  「北国のエコアクションさっぽろ」の行動計画を進めていくうえで、市民がどのくらい行動し、どのくらい節約したかをチェックしてもらうよう、環境庁で作成した環境家計簿を参考として札幌市が冬に関係する行動計画を盛り込み作成したもの。 「さっぽろエコクラブ1万人の輪」制度の設置(平成10(1998)年5月設置)  ローカルアジェンダ21を実践していくために、広く市民へ周知することを目的として設立された。

・ 事業者の行動計画の推進方策 「環境行動評価書札幌事業者版」の作成・配布  各事業者が環境保全への取り組みを進めていくうえで必要な、環境への負荷量や環境保全への取り組み状況の自己チェック、また、各事業所独自の環境行動計画の作成ができるように、「ローカルアジェンダ21さっぽろ」を基に、環境庁の環境活動評価プログラムを参考として作成されたもの。 「さっぽろダイエット推進事業所」登録制度の活用  既存の「ごみダイエットメニュー」に新たに項目を追加し、14項目になる省エネ、省資源に関する具体的取り組みを提示している。

 

  「札幌市環境基本計画」に示されている『環境保全・創造に向けた行動指針』の具体的な行動計画をまとめたものをローカルアジェンダ21と位置づけている。

 

  「環境家計簿札幌市民版」、「環境行動評価書札幌事業者版」の配布1年後の平成11年度、実施状況を把握し公表していく予定である。

 

  実施状況把握後に問題点を検討していきたい。また、行政指導ではなかなか広まらないことも今後の検討課題となろう。

 

  札幌市環境局環境保全部環境活動推進課
〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目     
TEL:011-211-2877,FAX:011-211-5105     
http://www.city.sapporo.jp/city/
※ローカルアジェンダ21さっぽろの推進方策について、平成11年度よりホームページに掲載予定である。)