サマルガ川のタイガ林

沿海地方、サマルガ川流域のタイガ林(1996年、撮影 A.バニチェフ)

 写真のサマルガ川の流域は、ビキン川などともに未だ原生のタイガ林を多く残すシホテアリニ山脈森林生態系の最重要部分を形成している。シベリアトラなどの絶滅危惧種の生息地、ウデゲ族などの森林先住民族の生活圏でもある。
 これらシホテアリニ山脈の原生タイガ林は、1996年の世界資源研究所(WRI)のレポートにおいても「危機にさらされる世界最後の未開拓林」の一つとして報告されている。ユネスコの世界遺産に登録すべきとの専門家の意見もあるが、一体のカラマツ林、エゾマツ・トドマツ林の商業的価値が高いため木材産業からの圧力が大きく、写真のサマルガ川流域を始め大部分は保護指定を受けていない。極東地域の木材生産の活発化により、近い将来これらのタイガ林の伐採が始まる可能性が高い。

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写真提供:FoE Japan