2001.3.27

国際協力銀行の環境ガイドライン統合に係る研究会資料

 

ツーステップローンにおける環境配慮

 

メコン・ウォッチ 福田健治

 

1.      基本的な考え方

     ツーステップローンにおいては、借り入れ機関による貸し付けの結果、社会環境影響が生じることがありうる。

     しかしながら、TSLの審査時には最終的な借入人は明らかではなく、融資による具体的な社会環境影響を予測することは困難である。

     したがって、TSLにおいては、借り入れ国や借り入れ機関が十分に社会環境への配慮を行うことを確認するとともに、相当の社会環境影響が予想されるサブプロジェクトについては、一般のプロジェクトと同様の環境審査を行う必要がある。

     TSLの環境配慮のための手続きは、ガイドライン上明確にされるべきである。

 

2.      TSLの審査

     サブプロジェクトが社会環境影響を与える可能性のあるTSLについては、スクリーニングいにおいて独自のカテゴリーを設ける。

     当該国の環境法制度・執行体制、借り入れ機関の環境審査・モニタリング能力等について、サブプロジェクトによる社会環境影響を防ぐのに十分であることを確認する。不十分である場合、必要な措置が取られなければならない。

 

3.      サブプロジェクトの審査

     借り入れ機関は、各サブプロジェクトにおいて適切な環境配慮がなされ、当該国及びJBICの環境基準が満たされていることを確認しなければならない。

     ある程度の規模であり社会環境影響を与えうるサブプロジェクトについては、事前のJBICの承認を必要とする。

     上記の場合、JBICは通常のプロジェクトへの融資における環境審査手続きを準用する。したがって、当該サブプロジェクトの情報は速やかに公開される。

     サブプロジェクトの環境配慮に関する借り入れ機関の責任、及びJBICの関与は、融資契約に盛り込まれる。