森氏コメント2001/7/25

 

本日の研究会参加予定ですが、急遽外出する可能性がでてきました。欠席となる場合に備え、先日外部のかたからのコメントに対応しての大村さんと本山さんから報告書ドラフトの修正コメントに対して、私のコメントを以下送らさせて頂きます。

 

@外部からのかたのコメントはこれまで研究会でも議論した論点と共通する部分があると思います。ひとつは「何故世銀なみにできないのか」と「環境モニタリング、フォローアップは銀行としてもっと積極的におこなうべき」という点です。前者については、案件形成段階から関与し、EIA作成段階から口を出すことによって、みずからのガイドラインに添う形で業務が進められる世銀と、原則的にF/Sが作成済みでEIA手続き・承認も終了したもの(A種では)について、その内容を事後的に確認する本行と、業務内容に相違があるということを念頭にこく必要があるというもの。後者については、環境対策等にかかるモニタリングの責任主体はあくまで事業者であり、本行はこれを確認する立場であるという、事業者と金融機関の役割分担について明確にしておくべきであるというもの。この点について研究会でも理解が得られたのではないかと思います。このような観点から、大村さんが「1.5国際協力銀行の特性」として追加された部分と「3.10モニタリングとフォローアプ」で「事業者によるモニタリングと「銀行によるモニタリング」を分けて記述された部分は、大変リーゾナブルであると思います。

 

A本山さんのコメントで「カテゴリーAに必要な環境アセスメント報告書の要件」で「協議において聴取された意見はアセスメント報告書に記録され、意思決定に反映されていなければならない」については、例えば協議会記録をアセスメントレポートあるいはEIA承認通知に添付すれば足りるのであり、アセスメントレポートに記録させるというのはややフレキビリティーに欠けると思われます。世銀の「アセスメントレポートに含まれる事項」でも、添付資料として協議会記録が挙げられています。従って、原文を生かし、「なお、地域住民等の・・・合意形成がなされているかどうかについては協議会記録等に基づき国際協力銀行が・・・確認する。」ということでどうか。

B本山さんのコメントで「情報公開の時期と内容(16項)」で「期間をガイドラインで明示すべきである」と修正案を出しているが、具体的な期間を定めるためには、例えばODAの場合、これまでの審査手続き(途上国政府からの要請から本行審査、日本政府のコミットメントに至る手続き)を各国毎に見直してゆく必要があり、このためには行内のみならず、日本政府、途上国政府等との調整も必要となりかなりの時間をかけて行なう必要があると思われます。またその実施が円滑にできるかについてもある程度試験的にやってみたうえでその期間が妥当なものか検討が必要。従って、現段階で「すべき」とするのはつらいという印象。

C本山さんのコメントで「モニタリングとフォローアップ(19項)」において、「第三者から、環境社会配慮が・・・事業者等による適切な対応を促す。事業者が・・・重要性を銀行は認識する。具体的には・・・重要である。」という「具体的には・・・」以下の追加部分については、その主体はあくまで事業者であり、本行はそのような枠組をできるよう事業者に働きかける(あるいは促す)という役割であるとの理解。確認まで。

以上

 

JBIC 森