2001.9.19

国際協力銀行

前田 匡

 

環境コモン・アプローチ

 

(1)   概要

OECD閣僚理のマンデートを受け、2001年中の解決を目指してECG会合で協議してきたもの。なお、G8サミットマンデートとしても、2001年末までの解決が求められている。

 

(2)コモン・アプローチ改定版REV5(別添)の概要

○対象:返済期間2年以上の公的輸出信用

○目的:

·          公的輸出信用と環境保護政策の調和を図ること

·          公的輸出信用に係る共通の環境配慮手続きを、各国間のequivalencyと貿易歪曲緩和に配慮しつつ、構築すること 等

○スクリーニング

·          輸出者、スポンサー等の提出情報を元に、全対象案件をスクリーニング。

·          その後のスクリーニングは、「案件のsensitivityを勘案しつつ、シェア10百万SDR超の案件に集中することができる」。

·          スクリーニングの結果、以下の3カテゴリーに分類する。

ü        カテゴリーA:重大な環境影響のあるもの。原則として、sensitive sector/areaの案件。(Annex I Sensitive sector/area”illustrative” list

ü        カテゴリーB:カテゴリーAよりも環境影響が大きくないもの

ü        カテゴリーC:環境影響が極小もしくはないもの

○環境レビュー

·          カテゴリーA:環境影響、緩和・補償措置等をレビュー。Sensitive areaおよび新規のsensitive sector案件の場合、EIA徴求の要否を決める。

·          カテゴリーB:環境影響、緩和・補償措置等をケースバイケースでレビュー。

·          カテゴリーC:レビュー不要

○ベンチマーキング:世銀、RDBs等基準(「国際基準」) をベンチマークとして参照する。

·          ホスト国基準遵守は必須。

·          国際基準を遵守していればさらなるレビュー不要

·          シェアが小さい場合、輸出国基準でも可

·          国際基準を下回る場合、その説明を事後報告の際に記載。

·          輸出信用供与後も、適切なモニタリングがなされるよう確保する。

○情報公開等

·          協調または競合するECAは、ビジネス上の守秘義務に配慮しつつ環境情報(含適用する環境基準)を交換する。

·          毎年事後的に、ECG事務局に対し、カテゴリーA、可能であればB案件に係る環境レビューの情報を報告する。

 

 

 

(3)最終改訂版(Rev6):Rev5からの主な変更点(下線部)

○環境レビュー

·          カテゴリーA:環境影響、緩和・補償措置等をレビュー。Sensitive areaおよび新規のsensitive sector案件の場合、EIA徴求が「期待される」

 

○ベンチマーキング:世銀、RDBs等基準(「国際基準」)及びこれらと同等なホスト国の基準をベンチマークとして参照する。

·          国際基準を下回る場合、それでも問題ない理由を事後報告の際に記載。

 

○情報公開等

·          毎年事後的に、ECG事務局に対し、カテゴリーA及びB案件に係る環境レビューの情報を報告する。

·          スポンサーに情報公開するようはたらきかける。

·           各国法制度の限度内で、カテゴリーA及びB案件の情報を一般公開する。

 

以 上