環境アセスメントのエレメントと各援助機関・輸出信用機関の要求・関与

(作業中・未定稿・第2版)

11月28日研究会用

 

以下の表は、検討のための素材として、JBICの国際金融等業務及び海外経済協力業務、並びに、世銀、国際金融公社(IFC)、米国輸銀及び米国民間投資公社のガイドラインにおいて、「借り入れを希望するものに対し、環境アセスメントについてどのような要求・関与を行っているか」について整理を試みたものである。それぞれのガイドラインを完全に反映しているものではない。

修正すべき点があれば、ご意見願いたい。

 

環境配慮の開始時期

 

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

 

 

·      世銀、IFC/EAは、案件処理の出来るだけ早い段階から開始され、提案案件の経済的、財政的、制度的、社会的、および技術的分析との密接な調和が図られる(OP4.01-3)

·      世銀、IFC/EAは借入人が責任をもって実施する。

·      米輸銀/できるだけ早い段階で環境技術部の担当官がレビューに必要となる環境情報を借入人に知らせる。

·      OPIC/できるだけ早い時期に、提案されているプロジェクトの潜在的な環境影響を明らかにするプロセスが必要であるとしている。

 

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    事業者/借入人に対し、責任を持って、早期の環境配慮を行い、計画内容に結果を反映するよう促すこと。

 

 

スクリーニング

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

(明示なし)

·      地域特性、事業特性・規模、銀行の関与度に応じた環境審査のスクリーニング方法を示すことにより環境アセスメントの必要性の有無を知らせている。

·      内談時にわかるものもあり

(明示なし)

·      地域特性、事業特性・規模等に応じた環境審査のスクリーニング方法により環境アセスメントの必要性の有無を知らせている。

·      年次協議等の事前段階で、調整が図られる場合もある。

·      世銀/PCD(案件構想書類)の作成期間中に、TT(タスクチーム)は、EAの範囲 、および要求されているEA報告書の手順・日程・概要、について借入人と話し合うBP4.01-6)

·      米輸銀/環境審査のスクリーニングにより環境アセスメントの必要性の有無を知らせている。

·      OPIC/スクリーニングにより環境アセスメントの必要性の有無を知らせている。

 

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    スクリーニングについて、銀行は早期段階で、事業者/借入人と協議する用意があること。

    特に海外経済協力業務にあっては、相手国政府等との年次協議やロングリスト協議段階で、スクリーニングについて協議すること。

 


スコーピング

 

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

·      14産業セクター毎の「環境チェックリスト」と三つの「要因別チェックポイント」(大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物)により考慮すべき点を例示

 

 

·      17の事業種類について「チェック項目と解説」を示し、考慮すべき点を例示

 

·      世銀、IFC/「潜在的問題チェックリスト」で産業セクターまたは立地場所についてアセスメントで扱うべき事項を挙げている

·      世銀/PCDの作成期間中に、TTは、EAの範囲 、および要求されているEA報告書の手順・日程・概要、について借入人と話し合う(BP4.01-6)

·      世銀、IFC/EAは自然環境(大気、水、陸地)、人類の健康と安全、社会的関心(強制移住、先住民族、文化遺産) および越境または地球規模環境問題 を考慮の対象とする。EAは自然および社会的関心を統合的に考える。(OP4.01-3)

 

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    両業務のチェック項目の整合性・統合

    地球環境、有害化学物質、農薬・害虫管理、社会的関心(先住民、文化遺産)、国際協定・条約等の関連、派生的影響、累積的影響、自然災害、産業衛生と安全性等、必ずしも明示的でなかった影響項目等の明示

 

 

環境アセスメントのTOR(実施要領)の作成

 

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

 

 

·      世銀/必要に応じて、TTは、債権者によるEA報告書の実施要領(TOR)の素案作成を手伝うBP4.01-7)

·      米輸銀/融資機関が借入人に対して発行するLetter of Interestにアセスメントに記述されるべき要素に関する記述を盛り込むこととしている。

 

 

 


関係者(住民含む)との協議

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

·      自然環境への配慮だけではなく、社会環境、特に非自発的な移転を余儀なくされる住民及び周辺住民に対して、説明が十分なされるなど、住民の同意が得られるための適切な配慮がなされていることが必要であり、本行はこれを確認する。

 

 

·      借入国内での所要の手続きを終了した環境アセスメント報告書が借入国政府から提出されなければならない

·      環境アセスメント報告書は、借入国内において公開されたものであることが望ましい

·      住民移転が発生するプロジェクトにおいては、(中略)借入国によって移転住民の意向が十分聴取されなければならない

 

·      IFC/できるだけ早期の段階から協議を行うよう推奨。特にカテゴリAプロジェクトに対しては、@スコーピング直後でTOR完成前、A影響評価書案が準備できた段階の最低2回を明示。Public Consultation & Disclosure Planの作成を義務づけ、できるだけ早い段階から準備を始め、常に改定されていくべきとしている。EIA手続きが終了している場合は、追加協議を要求している。

·      IFC/カテゴリAについて公開協議のマニュアルDoing Better Business through Effective Public Consultation and Disclosureを必ず参照すべきとしている

·      米輸銀/「プロジェクトの環境的および社会文化的側面についての情報源」として、米国政府、国際開発銀行のほか、第三者を位置づけている。

·      OPIC/IFCのマニュアルを参照することを推奨。影響を受ける人々が理解できるような言語、形式、媒体で公開することを指示している。

·      OPIC/すべての申請者(特にカテゴリA)に対し、EIAのスコーピング、準備と完了、およびその他環境研究について、すべての地域利害関係者と有意義な公開協議を実施するように強く勧告している。

 

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    借入人/相手国に対し関係者との協議を求めること

    協議や情報提供を求める関係者を非影響住民に限らず、NGO等広くとらえること。

    借入人/相手国における環境アセスメント報告書の公開を必要条件として求めること

(相手国の制度や案件によっては、公開が必要条件でない場合もありうるが、JBIC側として必要条件とするかどうか)

    協議や公開の頻度・時期等について具体的に求めること。

 


予測評価

 評価の基準(客観的、国際的基準等の参照、相手国基準等の扱い)

 

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

·      プロジェクトの自然環境に関する項目については、原則としてプロジェクト所在国の法律等により規定されている環境関連の基準の遵守を確認する。プロジェクト実施国の環境関連の基準が、国際的な基準(世銀の環境ガイドラインに示されている基準等その妥当性が国際的に認知されている基準)や日本の基準から著しく乖離している場合や、プロジェクト実施国において現時点で規制が確立していない項目がある場合には、我が国の基準や国際的な基準を参照し、環境配慮の適切性の確認を行う。

·      社会環境、特に非自発的な移転を余儀なくされる住民及び周辺住民に対して、説明が十分なされるなど、住民の同意が得られるための適切な配慮がなされていることが必要。何らかの問題が生じた場合には、国際的に認知されている考え方・手法を参考にしつつ確認する。

 

·      原則として借入国の排出基準を遵守したものでなければならない。また、借入国はプロジェクトが実施される地域において適用される環境基準等の環境保全のための行政目標値の達成に努めなければならない

·      借入国に環境基準が設定されていない場合には、JBICは借入国が国際機関、日本、その他の国が設定した排出基準を参考にしつつまた費用効果等も勘案して、当該プロジェクトに係る暫定排出目標値を設定することを促すものとする

·      プロジェクトは原則として借り入れ国の国内法に基づき指定された自然保護地区の外で実施されなければならない。また、同地区に重大な影響を及ぼすものであってはならない

·      プロジェクトは、稀少な野生生物の生息及び生物の多様性の保全に著しい影響を及ぼさないよう必要な措置がとられたものでなければならない。

 

·      世銀、IFC/『汚染防止・削減ハンドブック』には、汚染の予防・削減策、および世界銀行が一般的に許容できる排出水準が、記載されている。しかしEAは、借入国の法令、並びにその地方特有の条件を考慮した上で、その案件のための排出水準や汚染防止・緩和対策への代替案を勧告してもよい。特定の案件又は現場のために選定された排出水準や対策案についての正当性は、EA報告書の中に完全かつ詳細に明示されなければならない(OP4.01-6)

·      世銀、IFC/EAはまた、国家環境調査の所見、全国環境行動計画、国家の全体的な政策枠組み、国家の法規、環境および社会的関心事に対する制度面からの対応能力、関連国際条約・協定の下での案件活動に関連する国家の義務等の条件が、それぞれの案件および国家により異なることを考慮する(OP4.01-3)

·      OPIC/同ハンドブックにある汚染防止・軽減対策および排出基準がOPICが受け入れられるものとしている。そこでカバーされないものは米国基準、WHO、その他国際機関の基準を参照する

·      米輸銀/産業セクター別(紙・パルプ、鉄鋼業、鉱業、石油ガス開発、熱ガスタービン発電所、森林開発、石油精練所・石油化学施設、水力発電・水源開発、その他上記以外の産業セクター)に、7つの分野(大気、水質、廃棄物、自然災害、生態系、社会経済・社会文化的枠組み、騒音)に着目してガイドラインを設けている。相手国基準も勘案するとしている。

·      OPIC/すべてのプロジェクトは、相手国の環境法規制を遵守しなければならず、申請者は、適用される相手国の法規制の要約またはコピーをOPICに提出しなければならない。

·      OPIC/代替案やフィージビリティの評価に当たって、政府、産業界およびNGO等により提供される最良の実務基準に有用性があることを述べている。

·      OPIC/世銀グループの「1998年汚染防止・削減ハンドブック」を参照するとともに、世銀グループによる特定のガイドライン(自然生息地、農薬管理、森林、国際水路プロジェクト、非自発的移住、先住民と文化財の保護)を一定の基準として利用している。OPICでは、独自に、水力発電ダム、森林、およびエコツーリズムについては参照すべき基準を示している。

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    独自基準を定めるかどうか

    国際的な基準の参照として、既存の資料名を言及するかどうか

    現行の基準の参照規定は、環境関係とりわけ汚染防止関係に限られているようであるが、社会影響評価等の考え方なども参照対象とするかどうか(その場合、どのような基準等が相当するのか)

     


 

対策の立案・計画のフィードバック

(対策の考え方、代替案の検討、計画への統合)

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

·      環境配慮の確認を行なった結果、当該プロジェクトの環境配慮が適切ではなく、環境に著しい影響を及ぼす恐れがあると判断される場合には、借入人等を通じて、プロジェクト実施主体者に対して環境配慮の改善を求める。さらに出融資等を行わないとの判断もありうる。

 

 

·      (住民移転の)プロジェクトの計画と実施に当たっては、非自発的な立ち退きと再定住が求められる住民及び主たる収入源を喪失する住民への配慮が必要である

·      (住民移転の)プロジェクトは、その計画策定段階で移転住民数が必要最小限になるように代替案の慎重な検討がなされたものでなければならない

·      住民移転が発生するプロジェクトにおいては、影響を軽減するための計画が予め策定されていなければならない。

·      住民移転に伴う影響を低減するための計画は、移転住民の移転後の生活、所得の回復を目的としたものでなければならない

·      環境保全対策に必要な費用はプロジェクトコストに含まれていなければならない

 

·      世銀、IFC/EAは案件の影響範囲内における潜在的な環境リスクと環境への影響を評価し、案件代替案を検討し、案件の選択・位置設定・計画・設計・実行を改善する方法を、環境に与える悪影響を予防、最小化、緩和もしくは補償しつつ好影響を高めることによって、見い出し、案件実行全般を通して環境への悪影響を緩和および管理する手順を明示する。(OP4.01-2)

    à代替案の検討を明示

 

·      世銀、IFC/カテゴリA案件では、環境管理計画をEIA報告書に含めるよう求めており、カテゴリB案件ではEIA報告書ではなく、環境管理計画のみが作成されることがあるとしている。

·      世銀、IFC/環境管理計画は対策やモニタリングについて責任分担を具体的記述するよう進めており、また環境管理計画が案件の計画そのものと統合していることを求めている。

·      世銀、IFC/実行可能な範囲で、緩和策又は補償策よりも、予防策を奨励する。(OP4.01-2)

·      世銀/住民移転、先住民族、害虫管理、文化財保護について別途ガイドラインを策定。

·      IFC/自然生息地、害虫管理、森林、水源管理について別途ガイドラインを策定。

·      米輸銀/7つの産業セクター別ガイドラインを守れない場合は、緩和策の実施が融資条件となることがあると記述している。

 

 

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    事業者/借入人に対する、環境対策の考え方の提示(対策の優先度、計画への統合等)

    責任ある(実行者、資金、体制、制度的裏付け等のある)環境管理計画の作成を要請すること
あるいは、EIAの一部や環境配慮確認に必要な書類として提出を求めること

     


情報公開

 

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

·      影響を受ける住民については、説明が十分になされるなどの配慮が必要であるとしているのみ

 

 

·      借入国内での所要の手続きを終了した環境アセスメント報告書が借入国政府から提出されなければならない

·      環境アセスメント報告書は借入国内において公開されたものであることが望ましい

 

·      世銀、IFC/影響評価書案とその他公衆協議に提供された書類すべてを全ステークホルダーに公開を義務づけ(現地語含む)、その概要英語版の公開は融資機関側の責任としている。

·      IFC/カテゴリAについて公開協議のマニュアルを必ず参照のこととしている。

·      OPIC/IFCのマニュアルを参照することを推奨。ウェブサイトで今後支援を予定しているプロジェクト一覧(特徴と場所、申請者・スポンサー名は非公開)。FIプロジェクトについては企業秘密等の保護の観点から「公表範囲を特定する」としている。

·      OPIC/借入人に対してEIAなどをいつでも相手国において公表できるようにしておくよう勧告している。またOPICに提出する際に、公表しやすいように読込専用のファイルでの提出を求めている。

 

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    (関係者との協議に同じ)

 

文書化 (環境アセスメント報告書の作成)

(公開協議のための概要作成、使用言語等の指定など)

 

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

·      カテゴリAについて「(英訳または和訳された)環境影響評価書(EIA)、必要に応じて住民移転計画、先住民開発計画等の情報に基づき」環境影響に対する配慮の確認を行うとしている。

 

·      A種について環境アセスメント報告書(英文もしくは和文の要旨が添付されたもの)が借入国政府から提出されなければならない

 

·      世銀/「カテゴリーA案件のための環境アセスメント報告書の内容」(OP4.01-B)に、書かれる言語<英・仏・>と項目<概要、政策的・法的・行政的枠組み、案件の記述、基底情報、環境へ影響、代替案の分析、環境管理計画、その他添付書類>が詳細に定められている。またGP4.01「環境アセスメント」には時期や形式<ページ数、フォント数など>も記載されている。

·      IFC/「環境影響報告書の内容」(Guidance Note B)に書かれる言語と項目が定められている。報告書の概要は公開協議で使われるため、現地使用言語に翻訳することとしている。

·      米輸銀/相手国または他の融資機関の要望で、すでに作成されている環境影響評価書のコピーを提出することができる。また「環境アセスメントの書式と目次のアウトラインガイダンス」にサンプル項目や目次の例示がある。

·      OPIC/環境影響評価書や環境管理・モニタリング計画、初期環境監査の推奨記載内容と形式を示している。

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    要求する文書の内容等の条件付け

   特に情報公開・公開協議への配慮

環境所管機関の承認等(独立した審査等)

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

 

·      借入国内での所要の手続きを終了した環境アセスメント報告書が借入国政府から提出されなければならないとされており、政府部内での環境担当官庁等の審査等を期待している。

(審査の項ではないが以下の記述がある)

·      借入国の事業実施機関は、必要に応じプロジェクトの環境対策を客観的に評価し監視することのできる第三者機関を活用することが望ましい

 

·      世銀、IFC/カテゴリーA案件の中でも特にリスクが高い案件、論議を呼ぶ案件、又は環境に関する懸念が深刻で多方面に渡る案件の場合、借入人は通常、国際的に認められ、独立した環境専門家に諮問委員を依頼し、EAに関係する当該案件の全側面について、助言を受けるべきである(OP4.01-4)

·      米輸銀/プロジェクトファイナンスの場合、必要に応じて外部専門家を雇うことを借入人に対して要求する権利が米輸銀にあるとしている。

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    独立した環境専門家の関与について、銀行が要請する程度

    環境所管官庁の関与、銀行が要請する程度

    どのような場合に、第3者機関の活用が必要となるのかの検討

 

 

計画決定への反映

 

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

 

·      借入国内での所要の手続きを終了した環境アセスメント報告書が借入国政府から提出されなければならない

(すなわち、所管機関の計画への反映が期待されている)

·      世銀/TTは、借入人の案件実施計画を見直し、全ての環境管理計画を含むEAの結果・勧告がそこに織り込まれていると保証するBP4.01-19)

 

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    案件の計画内容への環境配慮結果の反映(対策案の計画への統合)を確認

    「借り入れ国内の所要の手続き」に所管機関の計画決定手続への反映が含まれているかどうか確認


事後モニタリング

 

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

·      JBIC側が行うモニタリングについて書くことで、相手側にもモニタリングの必要性を示唆している。

·      借入人側が融資対象プロジェクトの運営に参画する案件については、必要に応じて、重要な環境影響項目につき、モニタリングを行なう。モニタリングに必要な情報は、借入人側から提供される必要がある。カテゴリーAの案件は、案件ごとに必要なモニタリング項目を検討し、モニタリングを実施する。カテゴリーBの案件は、セクターごとのモニタリングフォーム(III参照)に基づいてモニタリングを実施する。カテゴリーCの案件は、本行が必要と判断した場合のみ、モニタリングを行なう場合がある。

 

(明示されていないが、必要に応じて実施している)

·      IFC/借入側に年次モニタリング報告書の作成の義務づけ、現地視察等を含むIFCによるProject Supervision Reportsの作成

·      世銀/借入国は、(a)EA報告書の結果に基づいて借入国と世界銀行が同意した方策が、案件書類の中に提示された環境管理計画(EMP)の実施も含めて、遵守されているか、(b)緩和策の状況、(c)モニタリング結果、を報告するOP4.01-20)

·      世銀/案件実施期間中、TTは、環境規定および法的文書上で合意され他の案件書類中に記述されている借入人の報告協定に基づいて、案件の環境面を監督するBP4.01-20)

·      OPIC/カテゴリAについては、借入人に対して年次自己モニタリング報告書の提出を義務づけている。さらに第三者機関による独立監査(3年以内)の実施と監査結果の認証の取得・提出を推奨している。

·      OPIC/場合によって実施されるオンサイトモニタリングは、OPIC職員やコンサルタントが実施する(3年間で少なくとも1回)。モニタリング実施の頻度は、環境の脆弱性に応じて設定される。モニタリングの結果、修正不可能の場合、契約の中止(保険事案)、返済の前倒しやその他利用可能な貸主の救済策(融資事案)を求めることとしている。

 

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    モニタリングをどのような場合にどのように相手側に要請すべきか

 


融資機関による支援

 

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

 

・ガイドラインに記載はないが、案件形成促進調査(SAPROF)により支援(補足的調査等)を実施する場合がある。

 

·      OPIC/アセスメントの作成における既存の情報や範囲において、初めての申請者や小規模事業種に対して技術的ガイドを与えることができる。

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    銀行による支援方策についてのガイドラインにおける記述

    業務形態による支援の相違の反映

 

その他

 

 

 

国際協力銀行

その他機関

国際金融等業務

海外経済協力業務

 

 

 

(既存アセスメントの扱い)

·      世銀/世界銀行が案件に関与する以前にEAが借入人によって完遂または部分的に遂行されていた場合、世界銀行は、EAを見直しそれが本政策と一貫していることを確認する。

·      OPIC/新たなEIAを作成する代わりに、同種のプロジェクトや類似の環境問題を扱った既存のEIS、多くの同種プロジェクトをカバーする一般的EIS、他の機関が作成したEISを認めている。

 

(責任範囲)

·      IFC/「IFCの責任」とする項目を設け、IFC側の責任の範囲を部署ごとに明確にしている

 

 

 

統合ガイドラインにおいて検討すべきこと:

    既存の環境アセスメントの扱い。特に、相手国制度により、既に環境アセスメント手続が開始されていた場合は、審査はこれの終了を待って行う、カテゴリA案件として扱う、などのオプションがあり得る。