世銀グループセーフガードポリシー                        ()地球・人間環境フォーラム仮訳

OD4.30「非自発的移住」Involuntary Resettlement19906月)

 

はじめにintroduction

1.本指令では、非自発的移住に関する世銀1の政策及び手続きと、借入人が非自発的移住2を伴う業務で遭遇すると予想される状況について述べる。プロジェクトの一要素としての移住または独立した移住プロジェクトの計画及び融資は、非自発的な移動の原因となるプロジェクトに関する準備の、欠くことのできない部分である。土地の獲得を含む業務、または環境アセスメント3のためにカテゴリAまたはBプロジェクトとして選別される業務は、プロジェクト・サイクルの初期に、潜在的な移住要件についてレビューされなければならない(パラグラフ20)。

2.人々を非自発的に移動させる開発プロジェクト4は通常、深刻な経済的、社会的、環境面の問題を引き起こす:生産システムは破壊され、生産的資産及び収入源は失われ、人々は自分たちの生産技術が利用できず、資源の獲得競争が激しい環境へと移動させられ、コミュニティの構造や社会ネットワークが弱体化し、血縁関係は分散させられ、文化的アイデンティティや伝統的権威、相互援助の可能性は縮小される。非自発的な移住は、適切な措置が注意深く計画・実行されなければ、深刻で長期にわたる苦痛や、貧困化、環境被害を引き起こす原因となる可能性がある。5

 

政策の目的Policy Objectives

3.世銀の移住政策の目的は、プロジェクトによって移動させられた人々がそのプロジェクトから利益を得るよう保証することである。非自発的な移住は、プロジェクトの設計の欠くことのできない部分であり、以下の政策上の検討材料を考慮しつつ、プロジェクト準備の早い段階から対処されなければならない(パラグラフ28):

a.     実行可能で代替的なすべてのプロジェクトの設計が検討された上で、非自発的な移住は回避または最小限に抑えられなければならない。例えば、道路を再整備したり、ダムの高さを低くすれば、移住の必要性は著しく減る。

b.     移住計画は、移動がやむを得ない場合に策定されなければならない。すべての非自発的な移住は開発プログラムとして考え出され、実施されなければならない。そしてその移住者は十分な融資源や、プロジェクトの利益を共有する機会を与えられなければならない。移動させられた人は、(@)実際に移動する前に、損失に対して十分な費用で補償されなければならない、(A)移動について援助され、移住先で過渡期の間支援されなければならない、(B)以前の生活水準や収入獲得能力、生産レベルを改善する努力、または少なくともそれらを維持する努力を支援されなければならない。移住させられるもっとも貧しいグループのニーズに対して、特別な関心が払われなければならない。

c.     移住の計画及び実施へのコミュニティの参加は促進されなければならない。ふさわしい形態の社会組織が設立され、移住者と彼らを受け入れる者6の既存の社会・文化制度ができるだけ広範囲にわたり支援、活用されなければならない。

d.     受け入れるコミュニティへの悪影響が最小化されるよう、移住者はそのコミュニティに社会的、経済的に統合されなければならない。このような統合を実現する最良の方法は、移住先がプロジェクトから利益を受ける地域において、そして将来受け入れることになる者との協議を通じて、計画されることである。

e.     プロジェクトによって奪われる土地またはその他の資源の使用権または伝統的権利を有する、悪影響を受ける人々や先住民族のグループ7、少数民族、牧畜民に対し、土地や住宅、インフラ、その他が補償されなければならない。

 

移住計画Resettlement Planning

4.大規模な8人間の移動がやむを得ない場合、詳細な移住計画や予定、予算が必要である。移動させられる人々の経済基盤を改善、または少なくとも維持することを目的とする開発戦略や総合的政策を基にして、移住計画は策定されなければならない。経験によれば、現金による補償のみでは通常は不十分である。非自発的な移住者の特別な状況への対応策が提供されれば、自発的な移住は移住計画の一部となり得る。農業環境から移動させられた人々については、土地を基にした移住戦略が優先されなければならない。もし、適当な土地が獲得できなければ、雇用や自営の機会に基づいて策定された、土地を基にしない戦略が採用されることになる。

 

計画の内容Plan Content

5.移住計画の詳細に関する内容とレベルは、状況、特に移住の規模により異なり、それは通常、目的及び政策のステートメント、エグゼクティブ・サマリー、以下の項目に関する詳しい規約を含まなければならない:

a.     組織の責任(パラグラフ6

b.     コミュニティの参加と受け入れ側の人々との統合(パラグラフ7-10)

c.     社会経済調査(パラグラフ11

d.     法的枠組み(パラグラフ12

e.     代替用地とその選択(パラグラフ13

f.      失った資産に関する評価と補償(パラグラフ14-16

g.     土地の所有権、獲得、譲渡(パラグラフ17

h.     研修や雇用、クレジットの利用の機会(パラグラフ18

i.      避難場所、インフラ、社会サービス(パラグラフ19

j.      環境の保護と管理(パラグラフ20

k.     実施スケジュール、モニタリング、評価(パラグラフ21-22

これらの活動について、費用の見積もりが準備されなければならない、そして主要な融資プロジェクトの実際の作業と調整して、予算やスケジュールが立てられなければならない。

 

組織の責任Organizational Responsibilities

6.移住に関する責任は借入人にある。移住を管理するための組織の枠組みは準備期間中に開発され、責任のある組織に適当な資源が提供されなければならない。インフラまたは他の特定のセクターを対象としたのプロジェクトが、移住を設計・実施するために必要な経験や概観が乏しい場合は、移住に関する組織の責任が強化されなければならない。選択肢のひとつは、プロジェクトの構成要素の中において、特別な移住ユニットを作り出すことである:これは他の関連機関の関与を促進することができる。もうひとつは、地域、町村レベルの行政に移住を委託することである。地元行政は、人々や地域について知っていて、地域の専門知識を活用し、移住者の言語を話し、最終的には移住者が受け入れ側の人や地域に統合されることについて責任を持つことになる。さらに、非政府組織(NGO)が移住の計画や実施、モニタリングに関わるかなりの範囲がある。9

 

コミュニティの参加と受け入れ側の人との統合

Community Participation and Integration with Host Population

7.移動させられた人のほとんどは、以前から存在するコミュニティや近隣の人々、親戚グループの一部として、移動することを望む。人々を元々のグループのままで移動させ、分散させない、既存のグループ組織の形式を維持し、必要に応じて、資産の移動を通じて文化遺産10(寺院や巡礼施設など)の利用手段を維持することによって、移住計画の受容度は増す可能性があり、移住による混乱を緩和することができる。

8.非自発的な移住者及びそれを受け入れる者が、移動前に計画に関わることが重要である。非自発的な移住という案は、まず最初に抵抗されることが予想される。協力や参加、フィードバックを得るためには、影響を受ける受け入れ者と移住者が移住計画の準備期間中、彼らの選択と権利について系統を立てて情報を伝えられ、協議される必要がある。彼らはまた、受け入れることのできる多くの移住代案から選択することができるようにされなければならない。このようなステップは、直接または公式・非公式なリーダーや代表を通じて実行することが可能である。経験によれば、地域のNGOはしばしば有益な支援を提供し、実行可能なコミュニティの参加を保証する。さらに、プロジェクトの計画や実施の間、移住プログラムに関する移住者及び受け入れ者の懸念をプロジェクト・スタッフに伝えるため、プロジェクト担当者とコミュニティとの間の定例会議のような、制度化された措置が、移住者と受け入れる者に提供されなければならない。11先住民族や少数民族、土地を持たない人々や女性がそのような措置において適切に扱われるよう保証することに、特別な注意が払われなければならない。

9.計画は、移住者を受け入れる者に移住が及ぼす影響を解決・緩和するものでなければならない。受け入れるコミュニティ及び地方自治体は情報を与えられ、協議の対象とされなければならない。移住者に与えられることになる土地やその他の資産に対して、受け入れる者に支払われるべきものは、直ちに支払われなければならない。受け入れる者と移住者との間の争いは、土地や水、森林やサービスなどへの需要が増したとき、または移住者が受け入れる者に優るサービスや住宅を与えられるときに生じる。受け入れるコミュニティの状況やサービスは改善されなければならない、または少なくとも悪化しないようにしなければならない。改善された教育や水、健康、生産サービスを両方のグループに提供することにより、両者の統合に向けてより良い社会環境を助長することになる。長期的には、追加融資が争いを防ぎ、プロジェクトの目的を確保する一助となる。

10.移住が成功するには、定住のための政府機関から定住者自身への時宜を得た責任の転換が必要である。そうでなければ、依存関係が生じ、機関の資源は絶えず監督された、限られた数の計画に拘束されて自由に使うことができなくなる。地方のリーダーシップは環境マネジメント及びインフラの維持について責任を負うよう、奨励されなければならない。

 

社会経済調査Socioeconomic Survey

11.移住計画は、移住の規模や移動させられた人々に移住が与える影響に関する最新の情報に基づかなければならない。さらに、標準的な世帯の特徴を示すため、社会経済調査は、(a)移住の規模、(b)インフォーマル・セクターや農業以外の活動、そして共有財産から得られる収入を含む、影響を受ける人々の十分な資源ベースに関する情報、(c)グループが失う資産の全体的または部分的な損失の程度、(d)影響を受ける見込みのある公共のインフラ及び社会サービス、(e)移住プログラムの計画・実施の助けとなり得る公的・非公的機関(コミュニティ組織や慣習的グループなど)(f)移住の選択肢に関する考え、を記述しなければならない。社会経済調査は影響を受ける世帯名を記録し、補償を受けるには不適格な人の流入を防ぐため、できるだけ早く実施されなければならない。

 

法的枠組みLegal Framework

12.移住に関わる法的問題を明確に理解するには、実行可能な移住計画を設計する必要がある。(a)評価方法及び支払いの時期の両方に関する、土地収用の範囲やそれに関連する補償の性質、(b そのような手続きに関する請求プロセス及び正常な時間枠を含む、適用することのできる法的及び行政的手続き、(c)土地の所有と登録手続き、(d)移住の実施に関して責任を負う機関に関連する法律や規則、そして土地の補償や整理、土地利用、環境、水利用、社会福祉に関連する法律や規則、を含む、考案された移住に関する法的枠組みの性質を割り出すため、分析が行われなければならない。

 

代替用地とその選択Alternative Sites and Selection

13.移住の可能性のある場所を数ヵ所特定し、選択された用地を区分することは、農村部及び都市部の移住について、重要なステップである。土地を基本とした移住について、新たな土地の生産性の潜在力及び立地の利点は、少なくとも移住前の土地のものと同等でなければならない。世銀では、少なくとも失った土地と同等の移住地を提供する、「土地には土地」アプローチを奨励する。農村部の移住者については、灌漑、土地造成、樹木作物の開発、生産性の強化、その他の改革により、しばしば人口密度の高い国においても、農業者を移住させるには限られた広さの土地に、適当な生産力の可能性が与えられる。選択された土地においては、農業収入を補充するための、農業以外の収入源(漁業や林産品の収集、季節労働)の獲得について、注目されなければならない。都市部の移住者については、新たな用地では、雇用やインフラ、サービス、生産の機会を得る機会を確保しなければならない。農村部及び都市部の移住両方について、借入人は、(a)小地区を寄せ集めて分割したり、荒地を開墾したり、土地を測量したりするなど、移住地を特定し、準備するための制度的・技術的措置を開発し、(b)用地の準備や移転のための予定や予算を考え、(c)土地の権利を移住者に譲渡するための法的措置を行い、(d)必要があれば、土地投機を防ぐため、移転地域内での土地転がしの一時凍結を検討する−必要がある。世銀は通常、土地の買収については出資しないが、移住者を適応させるための土地改良については融資することができる。

 

失われた資産の査定とそれに対する補償Valuation of and Compensation for Lost Assets

14.失われた資産については、それが移住にかかる費用で査定されなければならない。(a)土地所有権や登記、土地の占有に関する法的措置の妥当性に対して特別な注意を払い、(b)移動させられる人々に対し、評価と補償に関する法律や規則を公表し、(c)影響を受ける世帯が移住について適確かどうかを判断するための基準を確立し (例えば、部分的に資産を失うが、経済的には採算が合わない、というような世帯が、完全に移住する権利を与えられるべきである)、(d)そのような利益を利用しようと流入する非居住者を含め、補償/再生の権利を与えられた移住の影響を受ける人々の人数や名前を早期に記録することにより、不法侵入者や無断居住者が補償措置に介入するのを防止するためのメカニズムを開発する−ことによって補償は円滑に進められる。

15.(a)公共サービス、(b)消費者と供給者、(c)漁業や放牧、森林地域、へのアクセスなど様々なタイプの損失は、金銭的には容易に評価または補償することはできない。従って、それに相当する、文化的条件を満たす資源や所得の機会を利用する手段を確立するための試みが成されなければならない。

16.特別なリスクを負う、影響を受けやすいグループは、先住民族や土地を持たない、または半分そういう状態の人々や、移住させられるが、国内の土地補償に関する法律を通じて守られることのない女性が世帯主である家庭、である。移住計画は、このような人々の生活を守るための土地分配または文化的条件を満たす収入獲得のための代替戦略を含まなければならない。

 

土地の所有、獲得、譲渡Land Tenure, Acquisition, and Transfer

17.移住計画は、地域で承認された土地分配メカニズムによって管理される共有財産や権利者が明記されない用益権システムを含む、主要な土地所有・譲渡システムをレビューしなければならない。その目的は、補償に関する規定や手続きを考える際にできるだけ公平に、習慣的で公式な権利を取り扱うことである。計画では、プロジェクト地域に見られる、異なった所有システムによって提起される問題を解決しなければならない。その問題には、(a)土地に依存する人々の補償の適格性、(b)異なった所有タイプに適用できる査定手続き、(c)土地の獲得に絡む争いに役立つ苦情処理制度−を含む。計画は、プロジェクト開発のもっとも早い段階で土地調査を実施し、土地所有を制度化するための措置を含まなければならない。また、計画立案では土地の獲得及び譲渡に必要なおよその時間を予測しなければならない。

 

研修や雇用、クレジットの利用Access to Training, Employment, and Credit

18.通常、プロジェクトの影響を受ける人々の福祉を守るために、一般的な経済成長を当てにすることはできない。このように、非農業の移住者にとって、または入手可能になる土地が移住させられたすべての農民を適応させるのに十分でない場合、代替雇用戦略が必要となる。実行可能な範囲で、移住計画は、移住を伴う主な融資により、可能となる新たな経済活動を活用すべきである。必要に応じて、職業訓練や職業相談、職場への交通機関、主な融資プロジェクトまたは移住活動における雇用、産業の確立、企業をその地域に誘致するためのインセンティブ、小規模ビジネスまたは貯水池での養殖漁業に対するクレジットや貸付け延長、公共セクターでの雇用における優先権、が全て考慮されなければならない。

 

避難場所、インフラ、社会サービスShelter, Infrastructure, and Social Services

19.移転させられたコミュニティの経済・社会的生活力を保証するため、避難所やインフラ(例えば上水道や支線道路など)、社会サービス(例えば学校やヘルス・ケア・センターなど)12を提供するために、適切な資源が配置されなければならない。用地開発や工業技術、建築設計は避難所やインフラ、社会サービスに対応できるように準備されなければならない。コミュニティまたは自力で建設した住宅はしばしば請負業者が建設する住宅よりも受け入れられ、移住者の需要に、より適合したものである。よって適したインフラやモデル・プラン、建材、技術援助、「建設手当て」(移住者が自分たちの家を建てている間の過去の収入について)、が整備されている建設用地の準備はコミュニティが提供されるべき選択肢である。避難所やインフラ、サービスに関する計画では、人口の増加が考慮されなければならない。

 

環境の保護と管理Environmental Protection and Management

20.環境アセスメント(EA)に関するスクリーニング・プロセスは通常、非自発的な移住を含むプロジェクトをカテゴリAと分類する。13移住を必要とする主な融資のEAではこのように、移住による環境への潜在的な影響を扱わなければならない。移住計画はEAと調整して策定され、移住地域の境界線を明確にし、土地の一区分あたりの増加する人口密度を計算しなければならない。農業プロジェクト(例えば、貯水池の周囲にある集水地域、または下流のコマンド・エリアへの移住を含むプロジェクト)において、もし移住者の数が受け入れる人の数に対して多い場合、森林伐採や過放牧、土壌侵食、公衆衛生、汚染などの環境問題が深刻になる可能性があり、計画は追い出される者の研修を含む、適当な緩和措置を含まなければならない。さもなければ、選択されるべき代替用地を検討しなければならない。都市部での移住は、他の人口密度に関連する問題を提起する(例えば、輸送力や飲料水の入手可能性、下水処理システム、健康施設など)。建設的な環境管理はEAの緩和計画を通じて提供され14、移住者及び受け入れる者に同様に好機と利益を提供する (例えば、プロジェクト融資賠償としての植林は、森林を貯水池によって水面下に沈ませるだけでなく、有利な雇用を提供する)。もし、環境に起こりそうな結果が受け入れられなければ、代替のそして/または追加的な移住地が見つけられなければならない。

 

実施スケジュール、モニタリング、評価
Implementation Schedule, Monitoring, and Evaluation

21.移住のタイミングは、移住を必要とするプロジェクトの主な融資要素の実施と調整しなければならない。すべての移住計画は、初期のベースラインや準備、実際の移住、移住後の経済・社会活動を扱う各活動に関するスケジュールの実施を含まなければならない。計画には、移住者及び受け入れる者に期待される利益の達成目標日を含めなければならない。

22.移住の実施のモニタリング及びその影響の評価に関する措置は、プロジェクトの準備期間中に借入人によって準備され、監督の間に活用されなければならない。15モニタリングでは、移住者の需要と移住の実施に対する彼らの反応を明らかにするため、プロジェクト管理者に対し警戒システムを、そして移住者に対しては伝達経路を提供する。モニタリング及び評価ユニットは、適切に資金援助され、移住に関する専門家が配置されなければならない。実施機関による組織内部のモニタリングは、完全で客観的な情報を保証するために、独自の監視者によって補足される必要がある場合もある。大規模の移住については、毎年および中間のレビューが望ましい。借入人は、すべての移住と関連する開発活動の終了後、適当な期間、影響評価を続けるよう要求されなければならない。借入人はまた、その評価結果について世銀に伝えるよう要求されなければならない。

 

世銀の役割とプロジェクトの選択肢Bank Role and Project Options

23.世銀は、(a)移住の政策や戦略、法律、条例、特別な計画の設計・評価への援助、(b)移住の責任を負う機関の能力を強化するための技術援助への融資、(c)移住にかかる融資コストへの直接融資−を通じて借入人の取り組みを支援する。世銀は、移住を必要とする主な融資に対して融資しないとしても、移住のみについては融資することもある(パラグラフ26)。

24.タスク・マネージャー(TM)は借入人に対し、世銀の移住政策について情報を与えなければならない。プロジェクト・サイクルの早い段階で、TMは、オペレーション、調査研究、法律関係の職員の支援を得ながら、移住について扱っている政府の政策や経験、制度、法的枠組みを評価しなければならない。特に、非自発的な移住が回避または最小化され、移動させられた人々に関する法律や規則が失った資産全てを補充するのに十分な補償を提供し、移動させられた人々が彼らの以前の生活水準や収入獲得能力、生産レベルを向上、または少なくとも回復できるよう援助されることを、TMは保証する必要がある。

25.移住計画の妥当性は適当な社会、技術、法律の専門家によってレビューされなければならない。移住の専門家は可能性のある移住用地を訪れ、その土地の適格性をレビューしなければならない。大規模な移住の場合、そのような専門家は独立した技術または環境レビューの委員会に含まれなければならない。16

26.移住に対する世銀の融資は、以下のように提供され得る:(a)移住の原因となり、移住を必要とする主な融資プロジェクトの一要素として、(b)大規模プロジェクトの場合、適当な関連する融資条件があり、移住の原因となる融資プロジェクトと平行して進行・実施される、独立した移住プロジェクトとして。後者では当該国や世銀が移住問題の効果的な解決に関心を払うことに焦点を当てる。(c)セクター融資貸付けとして。17サブプロジェクトそれぞれについて特定の移住のニーズが前もってわからない場合、借入人は貸付の条件として、世銀の政策や要件に見合う移住政策や計画原則、制度的措置、設計基準に合意する必要がある。提案された移住用地の評価とともに、移動させられる人々全体の数や移住にかかる全体の費用に関する見積もりが提供されなければならない。セクター融資貸付けにおけるサブプロジェクトは、本指令との一貫性を保証するため、実施機関によりスクリーニングされ、世銀によって個別に承認されなければならない。移住を必要とする一連の作業を行う国について、移住に関する政策や制度的、法的枠組みを改善する努力は、世銀との間で進行中の国別政策・セクター対話の一部に組み込まれなければならない。このような取り組みはやセクター業務および国別戦略ペーパーや概要の中で、適切に反映されなければならない。

 

進行と文書化Processing and Documentation

27.地域副総裁(RVP)は主要な移住問題について絶えず報告を受け、必要に応じて指揮を求められる。地域環境部(RED)や法務部(LEG)、セクター政策・調査研究部(PRS)の移住専門家は非自発的な移住の問題に関して必要に応じて、プロジェクト・サイクルの間を通じて、協議を受ける、またはピア・レビューの中に含まれていなければならない。

 

特定Identification

28.非自発的な移住の可能性はできるだけ早く検討され、すべてのプロジェクト文書の中に記述されなければならない。TMは、(a)第一次エグゼクティブ・プロジェクト概要(第一次EPS18の中で、移住の規模、戦略、タイミングについて簡単に概略を述べ、(b)借入人に世銀の移住政策を伝え、(c)同様の運営での借入人の過去の経験をレビューし、(d)移住の責任を負う機関を招き、彼らの政策や計画、制度的、協議上の、法的措置について議論し、(e) 技術援助が早期に借入人に供与されるよう保証しなければならない。そのような援助には、移住を計画し、制度的能力を築き上げるため、プロジェクト準備ファシリティ(PPF)の資源19の利用を含まなければならない。

 

準備Preparation

29.プロジェクトの準備中、移住の実行可能性は確立され、戦略が合意され、移住計画の草案が作られ、予算の見積もりが準備されなければならない。20移住にかかる全体の費用は特定され、融資源に関わらず、主要な融資プロジェクトの総額の中で特定され、含まれなければならない。移住の費用はまた、移住の原因となる融資プロジェクトの経済的利益に対する代価として取り扱われなければならない。移住者の純利益(「プロジェクトを行わない」場合と比較して)は、主要な融資の利益の流れに加えられなければならない。主要プロジェクトの一要素としての移住の場合でも、または独立したプロジェクトの場合でも、それ自身の経済的な実行可能性を必要としないが、上記に挙げられた政策に矛盾しない最低のコスト・アプローチでなければならない。

 

アプレイザルと交渉Appraisal and Negotiation

30.世銀の政策に適合した、時間枠を定めた移住計画と予算書を世銀に提出しない限り、移住を伴うプロジェクトのアプレイザルを開始することはない。ただし、パラグラフ26で議論されているセクター融資貸付けを除く。すべての最終的なEPSは、この要件が適合するものであることを確認しなくてはならない。アプレイザルでは、(a)非自発的な移住及び人間に与えられる苦痛が最小化される範囲と、借入人がプロセスを管理できるかどうか、(b)移住及び補償に関する予定と予算を含む、計画の妥当性、(c)経済的、財政的分析の正当性、(d)すべての移住活動に関する用地と融資の入手可能性及び妥当性、(e)実施措置の実行可能性、(f)利益を受けるものの関与の範囲−について確認しなければならない。交渉において、借入人と世銀は移住計画について合意しなければならない。移住計画とそれを実施しなければならない借入人の義務は、法的文書の中に反映されなければならない。スタッフ・アプレイザル報告書及び総裁のメモランダムと勧告では計画について概要を記し、その計画が世銀の政策要件に適合していると記述されていなければならない。

 

実施と監督Implementation and Supervision

31.移住の要素は実施期間中を通じて、監督されなければならない。21プロジェクト実施に際して監督が時々しか行われないか、または実施最終段階まで監督されずに残されれば、常に、移住の成功を危ぶむものとなる。世銀の監督任務には、必要不可欠の社会、経済、技術の専門家を配置しなければならない。大規模な移住の場合、1年ごとのレビューおよび中間過程の詳細な世銀のレビューは、非常に望ましい。これらのレビューは、世銀と借入人がプロジェクトの実施において必要な修正を行えるよう、最初から計画されなければならない。移住からの完全な回復は長引くこともあり、人々が移住するまで、また時にはプロジェクトが終了するまで、世銀の監督の継続が必要となる。

 

事後評価Ex Post Evaluation

32.オペレーション評価課に提出されたプロジェクト終了報告書22は、移住と、それが移住者及び受け入れ者の生活水準に及ぼす影響について評価しなければならない。

 

1.「銀行」には国際開発協会、「貸付」にはクレジットを含む。

2.「非自発的移住開発プロジェクト」(世界銀行技術ペーパーNo.80 Washington, D.C.: 世界銀行1988)も参照

3.OD4.00、付則A「環境アセスメント」パラグラフ18

4.そのようなプロジェクトは、(a)ダム、(b)新しい町または港、(c)住宅や都市部のインフラ、(d)鉱業、(e)大規模産業施設、(f)線路または高速道路、(g)用水路、(f)国立公園または保護地域、を建設または設置することを含む。

5.OD4.00、付則A「環境アセスメント」パラグラフ2及び付則A3

6.ホスト・コミュニティとは、移住者を受け入れるコミュニティである

7.OMS2.34「世銀が融資するプロジェクトにおける部族民」を参照。これはOD4.40「部族民」として改訂予定。

8.わずかの人(100-200人以下)のみが移住しなければならない場合、資産に対する適切な補償、移動に対する物理的支援、移転の許可、が唯一の要件である。しかし、補償を基本とする原則は大きなグループに関しては同じである。

9.OD14.70「非政府組織の世銀が支援する活動への参加」

10. OPN11.03「世銀融資プロジェクトにおける文化遺産の管理」を参照。これはOD4.50「文化遺産」として改訂予定。

11. 合意された移住計画の実施プロセスにおいて、様々な種類の争いが生じることがある。これらの争いは、影響を受けた人に対して支払うことのできる補償に関連したアピールや、移動した人と受け入れた人の間の争い、約束されたサービスに関連する移住の実施を担う機関へのアピール、などの形をとることがある。従って、すべての移住計画に関する争いの解決策のための計画を策定することは重要である。そのような計画は、できる限り、関係する国と地域における争いを解決するための既存の手続きを考慮しなければならない。

12.栄養失調や引き離されることによるストレス、飲料水を媒介とする病気の危険性の増加、による疾病率および死亡率の増加を防ぐため、特に妊産婦や乳幼児、老人のための健康管理サービスが移住期間中および移住後、重要となる。

13.OD4.00、付則A「環境アセスメント」および付則B「ダムと貯水池プロジェクトのための環境政策」を参照。非自発的移住による環境面の影響は、環境アセスメント・ソースブック(Washington, D.C.:世界銀行、発行予定)の中の「環境アセスメントにおける特別事項」のパラグラフ6.0でさらに議論される。

14.OD4.00、付則A「環境アセスメント」の付則A1パラグラフ2、を参照。

15.OD10.70「プロジェクトのモニタリングと評価」を参照。

16.OD4.00、付則B「ダムと貯水池プロジェクトのための環境政策」を参照。

17.OD1.00「世銀の目標と手段」およびOD8.20「セクター融資と管理貸付け」を参照。両者とも発行予定。

18.Cicular Op87/03「融資貸付けとクレジットの処理のための手続き」を参照。これはOMS2.00として提出され、今後OD9.00「融資貸付けのための処理手続きと文書化」として改訂予定。

19. OMS2.15「プロジェクト準備ファシリティー」を参照。これは、OD8.00「プロジェクト準備ファシリティと特別プロジェクト準備ファシリティ」として改訂予定。

20.移住計画の準備およびアプレイザルのための詳細なガイドラインは、「開発プロジェクトにおける非自発的移住」世界銀行技術ペーパーNo.80、付則1Washington, D.C.:世界銀行、1988)の中に記載されている。経済的・財政的分析のための費用の見積もり表およびガイドラインは、付則2の中に記載されている。

21.OD13.05「プロジェクトの監督」、特にパラグラフ44-47を参照。

22.OPNSVメモランダム、「プロジェクト終了報告書準備のためのガイドライン、198967日」、そしてOMS3.58「プロジェクト終了報告書準備のための総合ガイドラインを参照。これらは統合され、OD13.55「プロジェクト終了報告書」として改訂される予定。


 

コンサルテーション・コメント

1.IFC及び世銀は、移転させられた人々は、彼らの所得獲得能力や生産レベル、生活水準を「改善または少なくとも回復」するのではなく、彼らが移住しなければならない場合、収入と生活水準を改善する、ということを示す政策の中心目標を修正しなければならない。目標として単に「回復する」だけでは、移動させられる人のほとんどが最初に直面する貧困を必然的に繰り返すだけである。IFCと世銀は現在、指導的立場にあり、世銀の担当者の中には公然と回復だけでなく、改善を求める者もいる。

IFCと世銀の職員は内部的及び多くの同じ業界関係者とともに、数年間にわたり、この議論を続けてきた。異なる立場にも関わらず、世銀とIFCにおける全体的なコンセンサスでは依然、現在の表現がそのまま維持されるべきだとしている。これは:(a)新しい住宅またはインフラが供給されるために、物理的生活水準が通常、上がることを、関係者たちが認めており、(b)所得獲得能力および生産レベルを「改善または少なくとも回復する」ための計画は回復だけを目標としておらず、農業や能力開発、模範とされる小クレジットにおけるプロジェクトのように、人々が収入を着実に増やすことができるようにすることを目的とし、(c)オブザーバーは、収入回復の「段階floor」に到達するのは非常に難しいということを認めており、まして障壁を高くすることは意味のないことである、(d)「回復」について主張することは、計画者や監視者(モニター)、影響を受ける人々が合意することのできる、非常に重要な基準を少なくとも提供する、ためである。それにも関わらず、OPでの表現は、可能な限り、収入の改善を強調することを述べる。

 

2.政策案では、地方の貧しい人々に関する保護を根本から弱めてしまう既存の政策からの逸脱を維持している。ところが、既存の政策は、地元の人々が「土地のための土地」の解決策を与えられるという優先権を言明し、言い換え、OPでは、「可能な場所で」土地が与えられるということのみ述べている。政策は、他の生活手段がさらに不安定になり、持続可能でなくなる人々の土地に関するコミットメントを維持しなければならない。

受け取ったコメントの結果として、草案作成者の間で再考し続けられ、移住に関する最近のOED報告書の結果、政策案の表現はこの考え方に合う方法で進むよう、変更されている。特に大規模プロジェクトにおいて、プロジェクトが組織する「移住居住地」の方法が移住の主要手段である時がある。しかし、市場システムが世界中で強化されているので、現在の業務は以前よりさらに、土地を基本としない解決策または土地に他の機会を加える解決策に対して開放的である。従って現在は、収入を増やす「広い戦略内の」移住地に重点が置かれている。土地を基本とせず、いくつかのNGOによって強く奨励されている選択肢は、以下の理由のために承認されている:(a)ますます直接参加計画が導入され、地方の資産を整理し、他の選択肢を採用したい、と地方のかなり多くの人々が要望しているため、(b)競争力のある農業の増加する資産コストのため。これには、多くの地域では零細労働者にとって非経済的な「余地room」がある、(c)いくつかの主要な借入国や、多くのIFC出資主体者の機会における業務は、全農家をその土地に留めておくための以前の要件に、地方の雇用のための実行可能な農業以外の選択肢を追加することである、という事実のため。いずれにせよ、既存の政策では「土地のための土地」だけを要求することはない。そしてその政策は常に優先権として記述され、要件と優良事例とをよりうまく区別するだけのために変更される表現の中で、見方はそのままにされている、と記されている。

 

3.IFCの出資者は、民間セクターの経営者であり、十分な移住の実施に対する予算および公約を最小化するよう、本質的に求める。これについて論議するため、IFCは移住を伴うプロジェクトを集中的に監督し、独自のモニタリングを主張し、移住活動に責任を追うものすべてに対する罰則をより明確に定義しなければならない。

IFCはこれらの批判の前提に異議を唱える:IFCの出資者とはしばしば、最前線の企業や、成長する経済で果たす役割を守ることについて世界的に評判の良い多国籍企業、またはその役割を誇る地方企業である。これらの企業は自分たちが「良い隣人」であることに長期的な関心を持っていると考えている、そしてその企業の「プロジェクト」を導入するための計画対象期間は、政府役人のそれと比べてかなり長い。IFCとその出資者、そしてプロジェクト主体者は、整合性について非常に真剣に意義を唱える。社会環境問題を含む年一回(少なくとも)の報告書が、専門家および独自の監査人(出資者によって契約された場合でも、専門的基準に従う)による監査を要求し、プロジェクトやそのクリティカルパス、独自の報告の透明性、の複雑さによって決定される期間を置いて監督を実施するよう、IFCは求めている。融資契約は、移住計画の契約や他の言及、またはその詳細を含め、整合性の欠如に対する修正手段やその修正が求められる状況について述べる。

 

4.IFCは非自発的な移住には決して関わってはならない。民間セクターは、市場を通じて、喜んで売却する者willing sellersから土地を獲得するべきである。土地収用法および公的機関を利用すれば、民間の利潤追求者に対し助成金を供与するだけである。

民間セクターのプロジェクトにおいて、喜んで売却する者の土地買収を指示することは、我々のミッションと一致する、とIFCは認めている。しかし、政府が移住に直接関与することを規定する国は多く存在する(中国、バングラデシュ、コートジボアール)、また一方、政府の土地買収プロセスが企業や民間セクターのその他の企業に利益を与えるために使われる可能性があり、そして実際利用される国も多くある。IFCはその政策の中で、起こり得る政府の行動による圧力を含むプロセスを利用する者よりも、喜んで土地を売却する者の方が望ましい、と述べている。

 

5.移住を伴うプロジェクトは全てカテゴリAプロジェクトでなければならない。

以前のODでは、移住計画が必要な場合、すべてのプロジェクトはカテゴリAでなくてはならないとされたが、わずか「100-200人」の人が影響を受ける場合は、移住計画作成の理由を説明する補足説明を含んでいた。この例外は現在では解決されている。移住を伴うプロジェクトは全て、移住計画を作成するが、その計画は状況の複雑さや必要とされる移住行動の規模によって長さや形式が明らかに異なる。移住計画を必要とするプロジェクトは、社会の専門家の意見で、人数が非常に少なく、複雑な問題がない場合、カテゴリBとされる。IFCの産業プロジェクトによってはわずか5または6家族を移動させ、その家族は同じ地域の中で直ちに雇用される、ということは覚えておかなければならない。カテゴリB移住計画は影響を受ける人々とともに議論・協議され、十分に公開され(世界銀行のインフォショップおよび地元での公開を含む)、監督、評価されなければならない。そのようなプロジェクトがカテゴリAと分類されるのは非現実的である。

 

6.世界銀行によって、移住に関する最近の文書中で明確に記載されている「貧困化リスク」モデルは、政策の基本として利用されるべきである。それに対し、この新たな、より良い考え方に関する記述はない。

リスクモデルは、プロジェクトが個人に与える可能性のある悪影響に対する優れた助言である。しかし、そのモデルはそのようなリスクを緩和する「道路地図」の作成については記述されていない。OPの第1パラグラフには、多少異なる言い方ではあるが、多くのリスクについて記述されている。「移住計画」の付則では、ホームレスや飢餓、失業などを防ぐための具体的な行動を要求することにより、モデルにおける各リスクを暗に扱っている。そして最終的に、手続きでは、これらのリスクが適切に処理されているかどうか検討するためのプロジェクトの提案に関して、適切な注意を行う手続きを求めている。

 

7.政策案は、文化や文化資産、コミュニティ(個人に対する)、社会制度、間接的に影響を受ける人々、に関する言及を弱め、または省略することにより、既存のODの力を著しく縮小させている。このような言及を削除することは、文化遺産問題や開発における宗教の重要性、先住民族のコミュニタリアニズム、そして貧困の緩和に関する、世銀とIFCの新たなコミットメントを無視するものである。

業界関係者はここで、有益な主張を唱えている。既存のODにおけるコミュニティに関する言及の多くは優良事例であり、事例や作業上の問題がODから削除され、優良事例(GP)文書およびソースブックに組み込まれる、という政策転換のために、その言及は手続き要件の単純な機能として削除された。それにも関わらず、結果は強調のバランスをかなり遠く個人の方へ、そしてコミュニティから離れたところへと移した。このバランスを元に戻すため、そのような言及の多くが案の中で再び紹介されている。一方、遠隔地のコミュニティでさえも、多くの人々が一世代前よりも小さな社会ユニットで生活することを求めている、というのが、世界中の現代の生活の事実である。驚くことではないが、コミュニティを基本としたアプローチのもっとも熱心な支持者たちは、先住民族の人々とともに働いている人々である。このような人々は、世界でもっとも「手付かずの」コミュニティ環境で生活し、その環境は構成メンバーが多大な支援と力を得る相互援助や確認のあるコミュニティである。しかし、そのようなコミュニティの肯定的な面について確かめると、それは勢力や数が減っている、というのが事実である。IFCの政策は必然的に、移住問題に対する個々の解決策を追究する何万人もの移住者を毎年処理しなければならない。