2005年1月6日
2004年12月10日、11日の両日、東京ビッグサイトにおいて、当フォーラム、国際環境NGO FoE
Japan 、日本環境ジャーナリストの会、熱帯林行動ネットワーク（JATAN）の４団体により、「フェアウッド
推進フォーラム〜世界の森林環境保護のための責任あるビジネスとグリーン調達」が開催された。
これは、減少・劣化を続ける世界の森林環境 を保護するために、生産地の現在の状況と、消費側で
進みつつある責任ある木材調達の取り組みについて紹介し、議論・意見 交換を行なうことを目的
として開催されたもの。企業関係者、行政関係者、NGO、一般消費者、研究者等、のべ230名が参加
し、活発な議論が交わされた。
初日の10日は「紙・木材のグリーン調達に動き出した世界のリーディング企業」と題したセミナーが開催された。
ここで、TFT（熱帯林トラスト）のヒラリー・トンプソン氏（前B&Q社会的責任マネージャー）は、 欧州最大DIYチェーン イギリスB&Q社の木材のグリーン調達についてプレゼンを行い、「B&Qのすべての木材や 紙製品は、出所が明らかで適切に管理された森林からの木材、またはリサイクル素材を使用して生産されてい るという顧客の信頼を築き続ける。それにより売上が伸び、我々自身のサプライチェーンに自信がもてる。」と 同社の戦略を語った。
また、メタフォー企業プロジェクト・マネージャーのクリスティン・ボナーさんが米国リーディング企業の紙の グリーン調達について発表を行った。
会場からは、持続可能な森林からのパルプと再生パルプを高めていくことの優先順位について、また、持続可能性 の基準や、持続可能であると認証されている木材の供給量、企業が調達方針を作成する際のインセンティブ等について、 意見及び質問が出された。
２日目には、タスマニア、インドネシアなどの木材生産現場における実態報告、日本のラミン流通の実態について 報告があり、また、欧米における輸入側における取り組み報告が行われた。
このうち、フォレスト・ウォッチ・インドネシアのトグ・マヌルングさんは、危機に瀕するインドネシアの森林と違法 伐採の実態について報告し、「インドネシアの森林を救うには、今しかありません。日本で木材を輸入している、企業が、 また、それを買っている企業、行政、消費者が、違法伐採の問題に、明確に『No!』というしかないのです」 と訴えた。
また、何人からの参加者から、リコー、キヤノン、富士ゼロックス、アスクルが最近導入した紙の調達方針について 言及して、日本における先進事例として評価する発言があった。
会場からは、国内の荒廃した森林を再生することの重要性、企業と行政が連動して取り組みを進めるべき等の意見が出された。
当フォーラムが推進するフェアウッド・キャンペーンでは、今後もこうした最先端の取り組み事例を紹介し、持続可能な森林管理に向けた紙や木 材のグリーン調達を進めるためにはどうしていけばよいかを考えていく。
◆プレゼンテーション資料（PDFファイル）
| 12月10日 | 「欧州最大DIYチェーンイギリスB＆Q社の木材のグリーン調達」 TFT（熱帯林トラスト） 顧客サービス担当部長 前B&Q社会的責任マネージャー ヒラリー・トンプソン／Ms. Hilary Thompson |
| 12月11日 | 「タスマニアの原生林伐採の現状」（1,048KB） ウィルダネス・ソサエティ（豪ＮＧＯ)
森林問題担当
フィル・プリンジャー／ Mr. Phil Pullinger |
| 「米国リーディング企業間の紙調達ワーキンググループの取組み」 メタフォー（米ＮＰＯ） 企業プロジェクト・マネージャー クリスティン・ボナー／Ms. Kristin Bonner |
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| 「危機に瀕するインドネシアの森林と違法伐採」 フォレストウォッチ・インドネシア （インドネシアＮＧＯ） トグ・マヌルング博士
／Dr. Togu Manurung
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| 「日本で流通する違法材の実態〜ラミン材流通調査」 テラパック（インドネシアNGO) アルビ・バレンティヌス ／Mr. Arbi Valentinus ラミン調査会キャンペーン・コーディネーター 西岡 良夫／Mr. Yoshio Nishioka |
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| 「欧州木材購入企業グループによる持続可能な熱帯木材調達スキーム」 TFT（熱帯林トラスト） 顧客サービス担当部長 前B&Q社会的責任マネージャー ヒラリー・トンプソン／Ms. Hilary Thompson |
◆この件に関する問い合わせは下記まで
■関連情報：フェアウッド・キャンペーンのページ