環境条約シリーズ297ワシントン条約の附属書改正と特定種に関する決議の採択

2017年04月24日グローバルネット2016年12月号

前・上智大学教授 磯崎 博司

 

2016年9月24日から10月4日まで、ワシントン条約第17回締約国会議が南アフリカ・ヨハネスブルグで開催され、附属書が改正された。そのうち附属書Iについては、センザンコウ、バーバリーマカク、ヨウム、キノボリトカゲ、アオマルメヤモリ、ワニトカゲ、チチカカミズガエルなどが追加され、ピューマ、ケープヤマシマウマ、アントンギルガエルなどが削除された。その改正は2017年1月2日に発効するため、それに合わせて、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の下の施行令(別表第2)が改正された。センザンコウは、器官・加工品(別表第4)および原材料器官(別表第5)にも追加された。

附属書改正のほか、ワシントン条約の運営事項、特定種の取引・保全などに関する決議が採択された。

そのうち、象牙については、国際自然保護連合のホノルル総会(本誌2016年10月)の提案の影響もあり、国内市場の閉鎖に関する決議が採択された。

それは、合法な国内象牙市場が密猟や違法取引の原因となっている締約国に対して、その市場の閉鎖のために必要なすべての法的、規制的および取締り的措置を直ちにとるよう要請した。象牙彫刻産業や象牙市場や象牙在庫が存在するかまたは象牙輸入国である締約国に対しては、国内取引の規制、関連業者の許認可制度および流通把握のための報告・審査手続きの導入、ならびに、象牙をめぐる実情、需給削減の必要、規制の内容などを含む公衆啓発のための、総合的な措置を確実に取るよう強く要請した。また、全締約国に、国内市場の合法性、および、上記の国内市場の閉鎖を含むこの決議を実施するための努力について、事務局に報告するよう要求した。具体的なモニタリング手続きを示す附属書も定められた。

他方、ウナギについては、ヨーロッパウナギの附属書II掲載の効果の評価を、また、ニホンウナギを含むウナギ種の資源や貿易の状況などについて研究・評価を行うこととされた。

次回は、2019年にスリランカにおいて開催される。

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