5/26(月)インドネシアNGO来日セミナー「インドネシアの熱帯林を脅かす日本のバイオマス発電」
2025年05月01日イベント
再生可能エネルギーの一つとして支援され、急速に拡大してきた木質バイオマス発電。製材の残材や間伐材を燃料とすると言われていたバイオマス発電の約7割[1]は、海外から輸入される木質ペレットやパーム核殻(PKS)を燃やしています。2024年の輸入量は、木質ペレット638万トンとPKS 600万トンに上りました。[2]
木質ペレットの輸入元として急成長しているのがインドネシアです。2023~24年にかけて、総輸入量に占める割合は1%から8%にまで増加しました。
現地NGOらが発表したレポート『無視された警告:インドネシアと東南アジアの熱帯林を脅かす森林バイオマス』[3]によると、日本向けの輸出は2021年-2023年の間に54トンから5万t以上に伸び、日本は同国の総輸出量の約4割を購入しています。
レポートによると、日本と韓国、インドネシア国内のバイオマス発電向け燃料需要により、現地で1,000万ヘクタール以上の手つかずの熱帯林が伐採の危機にさらされています。日韓向けの一大産地となったスラウェシ島ゴロンタロ州では2023年、木質ペレット生産のために1,000ヘクタール以上の熱帯林が伐採されたことが明らかにされました。
このセミナーでは、本レポートの執筆に携わった現地NGO アウリガ・ヌサンタラの代表に、バイオマス燃料生産と熱帯林伐採について最新の状況を発表いただきます。気候変動対策の一環として推進されている日本のバイオマス発電が、生物多様性と炭素蓄積の両面で極めて重要な熱帯林の伐採とどうかかわっているのか、日本の再エネ政策が抱える課題、今後日本に求められる行動について考えます。
[1] 資源エネルギー庁 FIT制度・FIP制度再生可能エネルギー 事業計画認定情報
[2] 「オンサイト・レポート」643号(2025/2/5)、644号(2025/2/12)
[3] アース・インサイト、アウリガ・ヌサンタラ他『無視された警告:インドネシアと東南アジアの熱帯林を脅かす森林バイオマス』(2024年10月)サマリー プレスリリース
日時
2025年5月26日(月)15:00-16:30(開場 Zoom:14:55、会場:14:45)
開催方法
対面とオンラインのハイブリッド形式
・対面参加:航空会館ビジネスフォーラム9F 901号室(東京都港区新橋 1-18-1 航空会館)※地図:https://maps.app.goo.gl/9g3QuYij9k7RbdAL7
・オンライン参加:Zoomウェビナー
参加費
無料
お申し込みフォーム
会場・オンライン共に事前のお申し込みが必要です。
URL:https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_8dGdk8pzQICTqol5AAFJJA
プログラム
- 開会
- 「日本の輸入木質バイオマス発電の現状」鈴嶋克太(地球・人間環境フォーラム)
- 「バイオエネルギーとインドネシアの森林破壊:日本の市場はその状況をいかに止められるか?(仮)」ティマ―・マヌルン氏(アウリガ・ヌサンタラ代表)
- 質疑応答
ゲスト登壇者・団体プロフィール
ティマー・マヌルン(Timer Manurung)氏
NGO アウリガ・ヌサンタラ代表。インドネシアで20年以上活動してきた環境活動家で、違法伐採や違法野生生物犯罪の摘発に長年携わった後、2014年にAuriga Nusantaraを設立。同団体を、インドネシアでも有数のデータに裏付けされた環境アドボカシー組織に導いている。
アウリガ・ヌサンタラ(Auriga Nusantara)
ジャカルタを拠点とするインドネシアの非政府組織。人類の生活の質を向上させるため、林業、海洋・生物種の保護、持続可能なプランテーション、責任ある採鉱とエネルギー等、インドネシアの天然資源・環境の保全に関わる問題に取り組む。目標を達成するため、データに基づいたガバナンスの改善、法執行、コミュニケーションを通じて各セクターにアプローチしている。常に調査研究を行い、より良い天然資源と環境ガバナンスに向けた政策変更を促すとともに、法的メカニズムを通じたアドボカシーを行う。NGO、学者、メディアなど、市民社会とも積極的に連携している。
主催・お問合せ
一般財団法人 地球・人間環境フォーラム (担当:鈴嶋・飯沼、E-mail:event[a]gef.or.jp)
協力
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク、ウータン・森と生活を考える会、Mighty Earth、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)