7/5(土) 開催 勉強会:ほんとに再エネ?~バイオマス発電の真実 in 北九州

2025年06月18日イベント

福岡県は今、輸入燃料によるバイオマス発電の量が国内で最も大きい県となり、ほとんどの発電所が北九州に集中しています。バイオマス発電は、「カーボンニュートラル」「環境に優しい」と推進され、再エネとしての補助金を得て急成長してきました。

カナダ・ブリティッシュコロンビア州のペレット工場©Conservation North

しかし、実際には木材を燃やした際のCO2排出量は、石炭や天然ガスよりも多く、バイオマス発電は気候変動対策にはなりません。また日本のバイオマス発電の7割が、海外からの輸入燃料を使い、海外の燃料生産地では貴重な森林の伐採や生態系の破壊、加工場からの大気汚染や住民の健康被害が報告されています。

これらの課題にもかかわらず、バイオマス発電は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)という制度の下、私たち消費者が払う「再エネ賦課金」によって、支えられてきました。

北九州のバイオマス発電所

このセミナーでは、北九州の輸入バイオマス発電の現状と課題、海外の生産地で起きている問題をお話します。バイオマス発電は本当に再エネと呼べるのか、気候変動対策や地域のために有効なバイオマスエネルギーとは何か、一緒に考えたいと思います。

日時

2025年7月5日(土)15:00-16:30(最大延長30分)

会場

対面開催(オンラインでの配信はございません

会場:KMMビル4階 第1会議室(福岡県北九州市小倉北区浅野2丁目14番1号)Googleマップ https://maps.app.goo.gl/ZcJkHDdy8SVSQzDs9

※小倉駅新幹線口(北口)から徒歩3分。ペディストリアンデッキを直進して左手です。

参加費

無料(事前申し込み推奨)

お申し込みフォーム

https://business.form-mailer.jp/fms/e477dcff202973

プログラム

  • モデレーター:飯沼佐代子(地球・人間環境フォーラム)
  • 発表① 「日本の輸入バイオマス発電と海外の環境・社会問題」:鈴嶋克太(地球・人間環境フォーラム)
  • 発表② 「いいバイオマス、悪いバイオマス~より良い使い方とは?」:泊みゆき(NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク)
  • コメント 環境問題に関心を寄せる地元の方からコメント
  • 質疑応答

発表者

©Kenji Ito

鈴嶋克太(地球・人間環境フォーラム)

2021年から地球・人間環境フォーラム。バイオマス発電の問題について、海外NGOらとのリレーション構築、金融機関やメディアへの情報提供を行う。アメリカ・ケンタッキー州の大学に留学中、「環境レイシズム」の問題を知り、ナオミ・クライン著『これがすべてを変える 資本主義 VS. 気候変動』に出会う。また、コロナ禍の混乱で帰国し、同年の地元・熊本での豪雨災害を目の当たりにしたことが、「環境」を仕事にするきっかけとなる。

泊みゆき(NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事長)
日本大学大学院国際関係研究科修了。東京大学大学院農学生命科学研究科博士後期課程満期退学。株式会社富士総合研究所(現・みずほリサーチ&テクノロジーズ)で10年間環境問題、社会問題のリサーチに従事した後、バイオマス産業社会ネットワークを設立。毎年、バイオマス白書を発行。経済産業省バイオ燃料持続可能性研究会委員、東京大学共同研究員、関東学院大学非常勤講師。主な著書に、『バイオマス 本当の話』築地書館、『バイオマス産業社会』築地書館。

<モデレーター>飯沼佐代子(地球・人間環境フォーラム)
信州大学農学部で森林科学を学ぶ。大阪の環境コンサルタントで環境アセスメント(植生)に関わった後、タイ北部に移住、メコン川流域の小規模漁民による資源管理プロジェクトを立ち上げる。帰国後、アジア太平洋資料センターを経て2008年より地球・人間環境フォーラム。日本の木材やパーム油の責任ある調達について活動し、違法伐採対策法の制定に関わる。現在はバイオマス発電問題の政策提言を中心に活動。

主催・お問合せ

一般財団法人 地球・人間環境フォーラム (担当:鈴嶋・飯沼、E-mail:event[a]gef.or.jp)

協力

NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク、ウータン・森と生活を考える会、国際環境FoE Japan