10/8(水)ウェビナー:責任投資原則(PRI)レポートから考える、日本のバイオマス発電の課題~エネルギー利用から「自然に基づく気候ソリューション」へ

2025年09月12日イベント

 日本の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)で「再エネ」の一つとして支援され、急速に拡大してきた木質バイオマス発電ですが、約7割(容量(kW)ベース)は、海外から輸入される木質ペレットやパーム核殻(PKS)を燃料としています。

 石炭より多い木質バイオマスの燃焼によるCO2排出について、企業の国際的な炭素会計基準であるGHGプロトコル等では算定・報告を求めていますが、FIT制度ではゼロカウントとされています。また、日本向けのペレット生産地では、原生林や天然林の伐採や、膨大な環境法令違反が明らかになってきました。

 昨年12月に発表されたPRIのポリシーレポート「EUのバイオエネルギー政策と投資の気候・自然リスクへの対応」は、「生きたバイオマス(森林)の自然の状態」、つまり、伐採されずに自然の状態で残った森林が有する「炭素蓄積・生物多様性の価値」も含めた「カスケード利用」を提唱しています。「一次木質バイオマス(森林から直接伐採された丸太や切り株や枝)のエネルギー利用への財政的支援の停止」や「加工・輸送だけでなく、燃焼時や森林の炭素蓄積の損失によるGHG排出の評価」を提言した点も大変画期的です。

 このセミナーでは、レポートの執筆者に、EUのバイオエネルギー政策が抱えるリスクの分析、科学的根拠、及びEUの政策決定者への提言内容をお話いただきます。

 本レポートが日本のバイオマス発電政策にどのような示唆を投げかけているのか、皆さんが考える機会になれば幸いです。

※地球・人間環境フォーラムで和訳した本レポートに、サステナブル投資分野の有識者からコメントを頂いています。ぜひご覧ください。

和訳レポート掲載ページ:https://www.gef.or.jp/news/info/250718pripolicyreport-japanese/

コメント掲載ページ:https://www.gef.or.jp/news/info/250822pripolicyreport-comment/

※本イベントは、7/7(月)に金融機関・機関投資家の方を対象に実施したセミナーと同様の内容になります。

日時

2025年10月8日(水)16:30-18:00(Zoom開場 16:25)

開催方式

Zoomウェビナー(要事前申し込み)

参加費

無料

申し込みフォーム

https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN__hZmKrZFT-64udf9JHO7yQ

プログラム(日英同時通訳付き)

  • 「日本の木質バイオマス発電の現状」(地球・人間環境フォーラムより)
  • 「EUのバイオエネルギー政策と投資の気候・自然リスクへの対応」(Martin Stavenhagen氏)
  • 質疑応答

講師プロフィール

Martin Stavenhagen 氏(EU Policy Specialist, Climate & Transition)

Martin Stavenhagen氏は、責任投資原則(PRI)において、EU の気候、自然、経済移行政策を担当する。この役職において同氏は、科学に基づく EU 2040 気候目標と投資準備の整った国家移行計画を設定し、トランジション投資のための公的および民間資金を加速させるために、 EU グリーンディールおよびクリーン産業ディールを支援するための政策ポジションと提言を策定している。PRI 以前は、ドイツ連邦物理技術研究所(PTB)で国際協力のプロジェクトコーディネーターを務め、インド、ネパール、バングラデシュ、スリランカにおける太陽エネルギーと環境対策のための高質なインフラに関する政府間開発援助プロジェクトを担当した。その後、シンガポール国立大学でエグゼクティブ教育プログラムを主導し、水政策研究所に環境および都市政策問題の研究者として携わった。また、循環経済、気候教育、システムイノベーションアプローチのコンサルタント経験も有する。ベルリン在住。

主催・お問合せ

一般財団法人 地球・人間環境フォーラム (担当:鈴嶋・飯沼、E-mail:event[a]gef.or.jp)

後援

PRI

協力

NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク、ウータン・森と生活を考える会、Mighty Earth