12月15日緊急セミナー 「石炭より悪い?! 木質バイオマス発電は2050年カーボンニュートラルに貢献するか」

2021年11月30日イベント

バイオマスのGHG排出研究の第一人者、サーチンジャー博士を迎えて

 再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)が始まって9年、消費者の賦課金に支えられ、木質バイオマス発電量は年々増えています。中でも輸入木質ペレットは、2015年から2020年までの間に23万トンから200万トン以上と急増し、今後はさらに年間数百万トン規模の増加が見込まれています。

植物は成長過程でCO2を吸収し伐採しても時間をかければ再生するという考えから、木質バイオマスは燃焼の際のCO2はカウントしなくてよいとされてきました。一方で、実際は、木材を燃やせばCO2が排出されます。木材燃焼の炭素排出係数(29.6 t-C/TJ)であり、石炭(24.3t-C/TJ)よりも多いことが国立環境研究所の報告[i]等からわかっています。

木質バイオマスをカーボンニュートラルとし、発電のために燃やすことは、実際にはCO2濃度を押し上げる結果にならないでしょうか。また今後、バイオマス発電が気候変動対策とは見なされなくなるなどの移行リスクや、バイオマス発電所の座礁資産化というリスクはないのでしょうか。

このたび、森林や気候問題にかかわるNGOが協力し、バイオマスのGHG排出研究の第一人者であるティモシー・D・サーチンジャー博士を迎えて緊急セミナーを開催します。ぜひご参加ください。

【開催概要】

Enviva社のペレット工場(ノースカロライナ州) 写真:Marlboro Productions

  • 日時:2021年12月15日(水) 9:30~11:30   
  • オンライン会議システムzoomを使用。同時通訳あり。
  • 参加無料

 【プログラム】(すべて予定)

1)ティモシー・D・サーチンジャー氏(プリンストン大学上級研究員)

「木質バイオマスと2050年カーボンニュートラル」

2)泊みゆき氏(NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事長)

「FITが支える輸入大規模木質バイオマス発電―その現状と課題」

3)環境省地球温暖化対策事業室(調整中)

「再エネのGHG削減効果に関するLCAガイドライン(輸入バイオマス)について(仮)」

4)経済産業省資源エネルギー庁新エネルギー課(調整中)

「バイオマス持続可能性WGでの議論(仮)」

5)コメント:三枝信子氏(国立環境研究所地球システム領域領域長、IPCC土地関係特別報告書執筆者) 

質疑応答・ディスカッション 

【お申込み・お問合せ】以下のリンクよりお申込みください。(zoomから参加用のURLが自動送信されます)

https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_lB86N55iRAC9O-IL8Gq4yQ

03-5825-9735(テレワーク中につき極力メールにてお問い合わせください)

 主催:ウータン・森と生活を考える会、国際環境NGO FoE Japan、地球・人間環境フォーラム、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)、バイオマス産業社会ネットワーク、Fridays For Future Sendai、Mighty Earth

 協力:気候ネットワーク、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)、Fair Finance Guide Japan、プランテーション・ウォッチ

ティモシー・D・サーチンジャー氏の略歴

プリンストン大学エネルギー・環境政策研究センター上級研究員。世界資源研究所の上級研究員。バイオ燃料による土地利用の変化に伴う温室効果ガスの排出量と食糧消費への潜在的な影響を初めて計算し、京都議定書の会計規則や多くの国内法におけるバイオエネルギー全般の誤差を説明した。サーチンジャー氏は、世界資源研究所や世界銀行などのために、温室効果ガスを削減しながら2050年の世界の飼料需要を満たす方法をまとめた一連の報告書「Creating a Sustainable Food Future」の主執筆者。ルワンダ、コロンビア、タイ、ベトナムで、排出量削減と森林保護のための家畜や作物の改良の可能性を評価するプロジェクトを行っている。ジョージタウン大学ローセンターの法律環境政策研究所のシニアフェロー、世界銀行の気候変動対応農業に関するコンサルタントなどを務めた。

[i] 国立環境研究所「日本国温室効果ガスインベントリ報告書(2021年)」 p3-16