フロント/話題と人長嶋 モニカさん(独立系気候変動シンクタンク InfluenceMap、日本カントリーマネージャー)

2022年12月15日グローバルネット2022年12月号

日本企業の気候政策関与を、よりポジティブに

長嶋 モニカ(ながしま もにか)さん
独立系気候変動シンクタンクInfluenceMap、
日本カントリーマネージャー

先月8日、エジプトで開催された国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)に合わせて、企業や自治体などによる「温室効果ガス・実質ゼロ宣言」に実際の行動が伴わない状況(「グリーンウォッシュ」)を是正するための提言が、国連の専門家グループにより発表された。そこで「グリーンウォッシュ」の一つとされたのが、「野心的な気候政策を妨げるロビー活動(政策関与)」だ。

2015年に英国で生まれたInfluenceMapは、企業による気候変動政策への関与を評価する取り組み「LobbyMap」を行っている。長嶋さんが同組織の存在を知ったのは、2015年当時、留学先のフランス・パリの大学院で、同年に締結されたパリ協定の交渉を再現し、ディスカッションする授業などを受けていた時だった。帰国後、日本エネルギー経済研究所を経て、2020年の秋にInfluenceMapの東京オフィスに就職。日本ではまだ注目度が低い、企業や業界団体のロビー活動への関心を高め、パリ協定と整合した政策関与を促すという使命を背負う。

先月25日、長嶋さんが中心となって取りまとめた、50の業界団体と20の大企業の政策関与についての調査報告書「日本の業界団体と気候変動政策」を発表。調査では、重工業セクターの企業やそれを代表する業界団体が、パリ協定に整合しないロビー活動を行い、日本の気候政策に大きな影響を与えている一方、非重工業セクターの一部の企業や業界団体が、近年、より野心的な政策を求めるようになったことが明らかになった。

主に投融資先のロビー活動を評価したい金融機関や、自社や業界団体の評価を知りたい企業に宛てた報告書だが、長嶋さんは「国の政策は、私たちの生活ひいては経済全体に影響を及ぼすもの。『それが、誰にどのような形で作り上げられているのか』を、メディアや市民団体、一般市民も含めて、誰もが知らなければいけない」という。既に一部の企業・業界団体と対話をしているが、「ポジティブな政策関与を行う企業や業界団体の声を、今後はより強く後押ししていきたい」と、さらなる対話に意欲を見せた。(克)

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