環境条約シリーズ 399生物多様性条約の第16回締約国会議と再開会合第1部・第2部
2025年06月16日グローバルネット2025年6月号
前・上智大学教授
磯崎 博司(いそざき ひろじ)
生物多様性条約第16回締約国会議が24年10月21日~11月1日にコロンビア・カリで、過去最多の13,000人を超える参加を得て開かれた。
昆明・モントリオール生物多様性世界枠組みの下の多国間メカニズム(本誌23年4月・5月)については、DSI(塩基配列情報)の使用者による世界基金(カリ基金)への利益配分拠出を締約国が促すこと、それを生物多様性条約の目的のために使うことなどが決定された。
そのほか、先住民に係わる条文(8条jを含む)に関する常設補助機関の設置と新作業計画;侵略的外来種管理に関する手引き6点(多面的分析基準、国際電子取引、気候変動、社会経済・文化、データベース、追加助言・技術など);合成生物学に関する行動計画;生態系・生物多様性上の重要海域の新選定手続;ワンヘルス(相互連関する生態系・動物・人間の健康)に基づく生物多様性と健康に関する世界行動計画;対話・教育・啓発に関する行動計画案;能力構築長期戦略の支援内容と実施手法などが採択された。また、生物多様性対策と気候変動対策の連携・協力;野生生物の保護と持続可能な管理に関して多様な主体の参加と関連条約等との連携;生物多様性の主流化に関する成功事例の共有などが要請された。なお、カルタヘナ議定書締約国会合においては遺伝子ドライブに関する危険性評価手引きも採択された。
しかし最終日を過ぎても、事務局予算、昆明・モントリオール枠組みの指標・再検討手続、資源動員の議事が終わらず、会合は中断された。再開会合第1部は24年12月にオンライン開催され、25・26年の事務局予算および会合経費が承認された。第2部は、25年2月にイタリア・ローマで開かれた。昆明・モントリオール枠組みの指標・進捗把握の手続とともに生物多様性地球規模報告書の作成のための科学技術諮問部会の設置、また、資源動員戦略第II期(25年~30年)手引きと合わせて30年以降に向けた資源動員の運用工程などが決定された。
