環境の本大切な家族を守る「おうち防災」

2025年10月17日グローバルネット2025年10月号

大切な家族を守る「おうち防災」

著●奥村 奈津美

 一児の母であり、東日本大震災の被災経験を持つ防災アナウンサーである著者が、小さな子どものいる家庭に向けてまとめた“実践的でわかりやすい防災バイブル”。

 本書の最大の特徴は「備蓄」や「避難」だけでなく、気候変動という現代的なリスクを防災力の一部として位置付けている点。豪雨や台風の激甚化、津波、地震、さらには原子力災害まで、幅広いリスクに対して「今できること」を具体的に提示している。

 ママ目線で語られる内容は日常生活に根差したアドバイスが多く、普段の暮らしで無理なく続けられる工夫が具体的に示されている。さらに「自宅を最強の避難所にする」という発想も、在宅避難を前提とした新しい防災スタイルとして注目に値する。

 「防災に正解」はなくとも、「知っていることで守れる命がある」(まえがきより)というメッセージを多くの人に受け取ってほしい(辰巳出版、1,500円+税)。

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