フロント/話題と人和田 優希さん(Climate Youth Japan)

2026年03月16日グローバルネット2026年3月号

幼い頃の体験をきっかけに気候変動への政策提言活動、そして気象予報士に

和田 優希(わだ ゆき)さん
(青年環境NGO Climate Youth Japan副代表、気象予報士)

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の副議長らが登壇したIPCCシンポジウムで、Climate Youth Japan(CYJ)の活動について講演、登壇者らにユース世代からの質問を投げかけた(今月号特集参照)。

兵庫県尼崎市出身。小学5年生の時に市の代表団の一員として友好都市の中国・鞍山市に訪問した際、現地の空気の色が日本とは異なっていることに驚いた。急速に進む経済成長による大気汚染を体感したことが、その後環境問題に興味を持つきっかけになった。

人間活動による自然や環境への汚染を防ぎたいと、中高6年間、自由研究で砂漠緑化に貢献できる材料の開発を目的に、水を長期間保持することができ最終的には微生物に分解される「生分解性ポリマー」を開発。大学では理学部環境科学コースに進んだが、気候変動による影響が深刻化する中で、「科学も研究も重要だが開発したものがいつ普及するかわからない、スピード感がないと間に合わない」と考え、政策提言活動を行っているCYJに大学1年生の時から参加。社会人1年目の現在は副代表と政策提言統括を兼務している。

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のCOP29とCOP30に参加し、国際交渉の難しさを現場で目の当たりにした。COP30ではUNFCCC公認ユース団体「YOUNGO」の適応ワーキンググループに日本のユースとして初めて参加。さまざまな国のユースの提言を取りまとめて交渉官に働き掛ける役目も担った(詳細はCYJ の「COP30 報告書」参照)。

CYJで活動する一方、大学在学中に気象予報士の資格を取得。卒業後は気象情報会社に所属し、3月から気象キャスターとして北海道ローカルのラジオ番組で天気予報を担当する予定だ。「多くの人に気候変動問題を自分事として捉え、関心を持ってもらえるよう、日常の気象について伝えたい」と抱負を語る。

将来は日本の優れた気象予報技術の海外への移転に関わりたいという夢がある。「異常気象が頻発する中、大きな被害を受けている国でも対策が取れるようにしたい。国連の世界気象機関(WMO)で早期警戒システムの実装に携わりたい」と熱い思いがあふれる。活動を通じてさまざまな知識を得て、経験を積み重ねている和田さんの今後の活躍が楽しみだ。23歳。(M)

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