フロント/話題と人花嶋 温子さん(天神祭ごみゼロ大作戦実行委員会実行委員長、なにわエコ会議会長、大阪産業大学講師)

2017年08月17日グローバルネット2017年8月号

100万人規模の祭りで初めてリユース食器を導入
日本三大祭りの一つ、天神祭でごみゼロを目指す

「ごみの出ないきれいなお祭りにしたいという思いはみんな一緒。むちゃなことだし、勝算もないけれど、面白いからとにかくやってみよう」と語るのは、天神祭ごみゼロ大作戦実行委員長の花嶋さん。

7 月24 ~ 25 日に開催された大阪の天神祭は日本三大祭りの一つで、毎年130 万人を超える人が訪れる。露天商の数も日本最大規模という大きな祭りで、今年初めてごみゼロを目指す取り組みが実施された。

昨年は2 日間で60 トンのごみが出た。至る所にごみが散乱し、「ごみの祭典」とまでいわれていたが、花嶋さんは「これだけのごみが出ていることを皆に伝えないと。誰かが拾い、処理して、お金も払っている。ごみの実態を知ることで対策にもつながる」と、去年の天神祭でごみの実態調査を実施した。リサイクルできるびんやペットボトルなどの飲料容器が全体の40%を占めていたが、食べ残しなどのごみも混ざっていたため、99% がリサイクルされずに処分されていた。

大阪府内のNPO や行政、露天商の組合、廃棄物処理業者の組合、地元商店街、ボランティア協会などが参加する実行委員会が今年3 月に立ち上がり、2014年からごみゼロの活動を行っている京都の祇園祭を参考に、リユース食器の導入や資源の分別回収などの導入を決めた。

今年は約170 店の露店の並ぶ南天満公園に、14 ヵ所のエコステーションを設置。2 日間で延べ800 人のボランティアが参加し、ごみやリユース食器を回収した。結果は大成功で、去年はごみがあふれていた場所から散乱ごみがきれいに無くなった。

関西テレビでアナウンサーをしていた経験もある花嶋さん。「環境のことを多くの人に伝えたい」という思いが強く、暮らしを支えるごみ処理施設に注目してもらおうと、「恋するフォーチュンクッキー 関西のごみ処理施設Ver.」の動画を制作。関西の9 自治体・10施設で働く人が楽しそうに踊る動画はAKB48 公式動画として認定され、YouTube で7 万回以上再生された。

特技はマイクなしでも大丈夫なくらい声が大きいこと。「ごみは勝手に消えて無くならない。皆に関心を持ってほしい」と笑顔で大きな声で語った。 (M)

※動画サイトリンク

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