環境の本・生物多様性は復興にどんな役割を果たしたか
       -東日本大震災からのグリーン復興
・社会イノベーションと地域の持続性

2019年02月19日グローバルネット2019年2月号

生物多様性は復興にどんな役割を果たしたか
-東日本大震災からのグリーン復興

編●中静 透、河田 雅圭、今井 麻希子、岸上 祐子

東日本大震災の被災地に入り「海と田んぼからのグリーン復興」を願った生態学者らが重ねた「うみたん会議」。自然や生態系を利用した防災には、干潟や藻場などの水産資源の涵養や海岸の美しい風景の維持など災害時以外にも大きなメリットがある上、生態系の回復力も高いことなど、研究成果を集大成した貴重な著作。

地域の自然資本を重視したまちづくりが震災前から計画されており、震災後、外部との協力の下、バイオマスエネルギーやカキ養殖、森林の認証取得などの復興が進んだ南三陸。地域ブランド産品の開発など、具体的な事例が丁寧に紹介されている。(昭和堂、2,300円+税)

 

 

 

 


社会イノベーションと地域の持続性

編●松岡 俊二

高齢化、人口減少などにより、2040年には行政サービスの提供が困難になる消滅可能性自治体が、日本の半分以上あるといわれている。消滅の危機にある地域社会の持続性を高めるにはどうしたら良いか。本書は長野県飯田市、静岡県掛川市、兵庫県豊岡市からヒントを探っている。3地域では地域づくりを担う人たちが集う場があり、そこで適切な情報の蓄積が行われ、実践的な知恵を生み出すリーダーがいたことで、社会イノベーションが生み出されたと分析し、社会イノベーションが地域に受け入れられるためには、日本全体と地域のそれぞれにおける仕組みづくりも重要であることを示している。(有斐閣、3,800円+税)

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