環境の本・プラスチック汚染とは何か
・森林未来会議

2019年07月16日グローバルネット2019年7月号

プラスチック汚染とは何か

著●枝廣 淳子

6月に開催されたG20大阪サミットでテーマの一つとして議論され、主要メディアでも頻繁に取り上げられているプラスチックごみ問題。安くて便利な素材として、大量に作られ、使われ、捨てられているプラスチックについて、どのような物質なのか、何が問題なのか、国内外の対策の最新情報、そして日本の課題をコンパクトにまとめている。海洋ごみを含めたプラスチック問題を環境問題、資源問題としてだけ捉えるのではなく、産業政策として取り組むべきという提言にも注目したい。(岩波書店、620円+税)

 

 

 

 


森林未来会議 ~森を活かす仕組みをつくる

編著●熊崎 実、速水 亨、石崎 涼子

「森林がつくる未来を共に考えてみようではないか」。日本初の国際森林認証FSCを取得した林業家・速水さんによる呼び掛けで本書は始まる。それに応える形で、日本の林業を再生するためのヒントを探るべく、オーストリア、ドイツ、アメリカでの森林経営をめぐる動きが紹介されている。終章では林業経営の国際比較に取り組んできた熊崎筑波大学名誉教授が、日本が新しい木の時代に踏み出すための、新しいタイプのフォレスターの必要性を説いている。

これからの林業をどう未来につなげていくか。林業に携わることに夢と誇りを持ってもらいたいという思いを持った研究者、林業家が3年をかけて議論した成果が詰まった1冊。(築地書館、2,400円+税)

タグ: