環境の本・最新 日本の外来生物
・見たくなる! 日本の野鳥420

2019年12月16日グローバルネット2019年12月号

最新 日本の外来生物

編著●一般財団法人自然環境研究センター

「外来生物を駆除!」をうたって池の水を抜くテレビ番組、ヒアリ発見の報道など外来生物問題が取り上げられるたびに不思議だった。そもそもトマトやジャガイモは南米アンデスから持ってきたものではないか、と。

その疑問に答えつつ、外来生物問題の本質を解き明かした「はじめに」や解説、生態系被害防止外来種リスト、法律の説明、用語解説、索引、参考文献と、ずっしりと重厚なつくりの本である。

とはいえ、最新のデータや事例をふんだんに盛り込み、計435種を生き生きと紹介している。奄美のマングース、皇居のお濠、外来ザルの交雑などについてのわかりやすいコラムも興味を引く。見て読んで楽しい生物図鑑だ。(平凡社、3,800円+税)

 

 

 

 


見たくなる!?日本の野鳥420

著●♪鳥くん(永井真人)、写真●永井凱巳

著者は「♪鳥くん」で親しまれているプロのバードウォッチャー。講演、小中学校などでの特別授業でも活躍。野鳥写真家の永井氏は多くの図鑑に写真を提供。本書の中では、求愛、採食、子育てなど鳥たちの生き生きとした姿が紹介されている。探鳥メモでは、ハクセキレイは「コンビニの駐車場に残飯などを狙ってよく現れるため、『コンビニ鳥』と呼ばれることがある」、シジュウカラは「胸から下腹まで続く黒いネクタイが特徴」などと紹介され、文と写真が探鳥の魅力を伝えてくれる。

鳴き声の特徴についても丁寧に表現され、国内でも「がんばれば見られる鳥」まで420種も紹介されており、本書を読むだけでも探鳥気分が味わえる。(主婦の友社、1,680円+税)

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