フロント/話題と人坂尾 篤史さん(株式会社ONIBUS 代表取締役)

2021年10月15日グローバルネット2021年10月号

リユース容器をどこのカフェでも使えるように
~繰り返し使用するカップでコーヒーをテイクアウトできるCUPLES~

坂尾 篤史(さかお あつし)さん
株式会社ONIBUS 代表取締役

アプリを使い、街中のカフェでコーヒーをリユース容器で気軽にテイクアウト――そんな新しいライフスタイルを提案するサービス、CUPLESカプレスhttps://www.cuples.jp/)が始まった。企画したのは「オニバスコーヒー」を経営する坂尾さん。オニバスコーヒー4店舗を含む都内27店舗のカフェで、10月から運用を始めた。

利用者は専用のアプリで利用できる店舗を探し、注文時にQRコードを読み取り、コーヒーをテイクアウト。返却は加盟店ならどこでも可能で、再びQRコードを読み取れば完了し、加盟店が容器を洗浄する。デポジット(預り金)や使用料は不要だ。

オニバスコーヒーは、味や風味だけでなく、生産過程などのトレーサビリティも含めた基準を満たす、品質の高い「スペシャルティコーヒー」を扱う店。中南米、アフリカなどの豆の産地は気候変動の影響により栽培適地ではなくなるという警鐘も鳴らされていることから、坂尾さんはサステナビリティへの関心が高く、コーヒー豆の量り売りや、容器持参者にコーヒーを100ml単位で販売するなどの取り組みを積極的に行ってきた。しかし、使い捨て容器は依然として大量消費・廃棄されることから、繰り返し利用できる容器を手軽に利用できるインフラを作りたいと、CUPLESを考案した。

もともと家業を継いで大工だった坂尾さんは、一度外の世界を見てみたいと、バックパッカーとして海外へ。どの街にも必ずカフェがあり、人びとの憩いの場となっていることに気付いた。旅の途中で、スペシャルティコーヒーを知り、帰国後2012年にオニバスコーヒーを都内にオープン。ポルトガル語で「公共バス」を意味し、「万人のために」という語源を持つという店名の「オニバス」には、「人と人をつなぐ基地にしたい」という坂尾さんの思いが込められている。

坂尾さんの呼び掛けに他のカフェも次々と賛同、地方のカフェからも問い合わせが来ている。利用者からも「これなら気軽にリユース容器を選択できる」という声が寄せられるなど好評だ。

「CUPLESはスペシャルティコーヒーのお店だけで使われる特別なものではなく、日常的に誰もが使えるようなサービスにしたい」と抱負を語った。38歳。(M)

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