フロント/話題と人原 有穂さん(Fridays For Future(FFF)横須賀)

2022年01月14日グローバルネット2021年12月号

「何をすればいいのか」答えを探しにCOP26へ
~気候変動を身近な話題に~

原 有穂(はら ゆうほ)さん
Fridays For Future(FFF)横須賀

10月末から11月半ばまでの3週間、気候変動対策の強化を求める国際的な若者のグループFridays For Future(FFF)の日本のメンバーとして、英国グラスゴーで開かれた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)に参加した。原さんは気候変動問題に関心を持ち、今年6月にFFF横須賀の活動に関わるようになって初めて神奈川県横須賀市で石炭火力発電所が建設中であることについて知ったという。「気候変動を止めるためにはまったく時間がなく、海外からも非難されているのになぜ新しく建設するのか」と疑問に思った。しかし自分は何をすればいいのかわからない。そんな時にFFFからCOP26に参加できるという話があり、「答えを探しに行きたい」と自ら手を挙げた。

現地で見つけたことの一つは、気候の問題は世代間格差の問題と言われるが、それだけでなく人種や地域間の格差、植民地主義の歴史など、あらゆる問題とつながっているということ。気候危機を訴えるマーチでは「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」という掛け声が聞こえ、参加者の間で気候だけでなく、より広い社会問題が語られており、それらはすべてつながっていると感じた。そして先住民族の人など気候変動の被害を受けているのに声を上げても届かない人たちから直接話を聞いたことで、先進国に生まれた者としての特権と責任を認識したという。

さらにもう一つ気付いたのは「自分の意見を話したり、思い切り大声を出したりすることの心地良さ」。日本ではなかなか人前で声を出さず、意見も言えない。原さんも英国に発つ直前までFFFに参加していると周囲に言えなかった。しかしCOPで思い思いに声を上げる世界中の若者と出会い、誰もが手を挙げ、声を上げやすい社会をつくりたいと考えるようになったという。

帰国後の自宅待機期間中もたくさんの人とオンラインで出会い議論を交わし、「はっきりした答えは見つからず考えは変わり続けています」と笑うが、「将来は気候変動によって苦しんでいる人のため、社会を変えるために活動していきたい」と目指す方向は定まりつつある。「普通の高校生だからできるアプローチで気候変動をもっと身近なものにしていきたい」。(ぬ)

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