環境の本ブルーカーボンとは何か~温暖化を防ぐ「海の森」

2022年10月17日グローバルネット2022年10月号

ブルーカーボンとは何か ~温暖化を防ぐ「海の森」

著●枝廣 淳子

著者が米国の環境活動家、レスター・ブラウン氏の通訳・翻訳家として活躍していたころ、訳された日本語の美しさ、正確さに感銘を受けたことがある。著者はその後、自ら多くの環境関係の本を出版。簡明でわかりやすく、やさしい日本語で難問をひも解いてくれる。

本書は71ページしかない小冊子だが、ブルーカーボンの入門書としては最適。ブルーカーボンとはマングローブ林、塩性湿地、海草藻場などの海洋生態系の炭素吸収源のこと。陸上の森林などの何倍もの二酸化炭素を吸収するが、沿岸開発などで消失の危機にある。著者は2021年に「ブルーカーボン・ネットワーク」を組織。静岡県熱海市などで海草・海藻の再生活動に取り組んでおり、本書からも筆者の熱意がひしひしと伝わってくる。(岩波書店、580円+税)

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