環境の本オームステッド セントラルパークをつくった男~時を経て明らかになる公共空間の価値

2023年01月16日グローバルネット2023年1月号

オームステッド セントラルパークをつくった男~時を経て明らかになる公共空間の価値

著●ヴィートールド・リブチンスキー、訳●平松宏城

昨年生誕200周年を迎えた「ランドスケープ(景観)の父」と称される、オームステッドの伝記。今も多くの人が自然を感じながら憩いの時間を過ごすセントラルパークの建設は、当時のアメリカ最大の公共事業であった。設計者でもあり、最多で3,600人にものぼる労働者を指揮する現場総責任者を務めた彼にとって、それが初めての造園・公園建設の仕事だったことに驚かされる。

他業界への転職など紆余曲折がありながらも、多数のプロジェクトを通して確立された、園芸でも建築でもない独自の概念や技法は、現代の日本の景観づくりにも生かされているという。いつの日かセントラルパークで読んでみたい1冊。(学芸出版社、4,800円+税)

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