環境の本最新図説脱炭素の論点2025-2026
2025年08月13日グローバルネット2025年8月号
最新図説 脱炭素の論点2025-2026
編著●共生エネルギー社会実装研究所(堀尾 正靱 他)
気候変動の実態とメカニズム、国内外で進められている対策とそれを支える技術と科学について、図表を交えてテーマごとにその分野の専門家56人が解説する。
5つの章(「気候危機」と「脱炭素」総論/気候危機の科学と対策/元気な社会を創る脱炭素/気候危機対策の全体像/「脱炭素」への技術的対策)は115の項目から構成され、各項目は長くても4ページと簡潔にまとめられているので、必要なトピックだけをピックアップして読める。「明るい未来のために」という副題が付された序章では、筆頭の編著者である堀尾氏が脱炭素の取り組みの現状と課題、課題解決について、明確な書きぶりで読み手を導いてくれる。中でも、パリ協定から脱退する大国の存在、多発する紛争や社会の分極化などの諸問題により激動する世界の中で、「脱炭素」がどのような意味を持ち、どのように進めるべきかを示す「③移行期(トランジション・ピリオド)の景色と展望」は、環境政策に関心を持つ読者にとっては示唆に富む内容で、必読の項目といえる(株式会社旬報社、3,000円+税)。