フロント/話題と人島田 花梨さん、川島 有翔さん、城戸 はるなさん(上智大学公認学生団体「シャクル」メンバー 上智大学総合グローバル学部総合グローバル学科3年)
2025年09月17日グローバルネット2025年9月号
小中学生向けイベントを開催
暑さと気候対策の関係を訴えた学生団体「シャクル」

(写真左から)
島田 花梨(しまだ かりん)さん 川島 有翔(かわしま ゆうと)さん 城戸 はるな(きど はるな)さん
上智大学公認学生団体「シャクル」メンバー
上智大学総合グローバル学部総合グローバル学科3年
サッカーをはじめとするスポーツに猛暑が及ぼす影響や、再エネや省エネといった温暖化対策について子どもたちと一緒に考えようというイベント「サッカーができなくなる日!?――サッカーを通して地球温暖化を学ぼう」が8月初めに開かれ、上智大学の体育館に小中学生とその保護者合わせて23人が集まった。
開催したのは同大学学生団体「シャクル」。サッカーを通じて社会課題を解決するため、自分たちから行動することを目指し、2021年に設立された。現在のメンバーはおよそ60人。自らサッカーを経験してきた人はもちろん、サッカーチームのサポーターなど、サッカーとの関わり方はさまざまだ。
今回のイベントの企画のきっかけは「夏の間、少年サッカーの公式戦は原則中止、練習試合もできる限りやらないことになったというニュースを聞いたこと」と語るのは、ずっと少年サッカーでプレイしてきた川島さん。一方で、「サッカーを通じて自分が得てきた人との出会いや学びを社会に還元したい」とシャクルに入った城戸さんが、グリーンピース・ジャパン(GPJ)が講師を務める大学の気候変動に関する授業を受講し、「シャクルでも気候変動に取り組んでみたい」と、川島さん、島田さんに相談したことから、GPJの協力も得て今回の開催に至ったという。
イベントでは城戸さんを進行役に、シャクルのメンバーが子どもたちに交じって「これからもサッカーを続けていくことができる理想の体育館」をテーマにワークショップを行い、「汗で冷たくなる靴を使う」「流しソーメンができる」など、子どもらしい、自由でとびぬけたアイデアが発表された。さらに、気候変動のメカニズムと断熱などの具体的な解決策についてのレクチャーやプロサッカー選手による練習中の暑さ対策の紹介、そして最後には冷房の効いた体育館でのサッカー大会で子どもたちは汗を流した。
「気候変動の犠牲になるのは子どもたち。一番の当事者として感じるものがあるはず。今回のイベントで、気候変動が深刻化する中でもサッカーを続けたいと感じている子どもたちの自発的な声が聞けた」(城戸さん)。3人は、今後も子どもたちを巻き込んだイベントを企画し、地域や国の気候変動対策の進展にもつなげていきたいと語った。(希)