環境の本ごみと暮らしの社会学:モノとごみの境界を歩く
2025年10月17日グローバルネット2025年10月号
ごみと暮らしの社会学:モノとごみの境界を歩く
著●梅川 由紀
環境社会学者である著者が文献やフィールドワークによって、そもそも「ごみとは何か」を322ページにわたって多角的に検証している。
第1部では膨大な文献から「ごみをめぐる議論」を考察。第2部「ごみの家庭生活」では高度経済成長期に掃除機や冷蔵庫などの家電やプラスチック製品が登場したことで、人々の生活がどのように変わり、ごみの概念をどのように拡大させたのか、ごみと人間の関係の変化を明らかにしている。第3部では近年、社会問題になっている「ごみ屋敷」当事者への1年半以上の調査から、モノの価値の概念を3つに精緻化し、第4部のまとめに続く。
ごみ問題をどうするかという視点ではなく、ごみと人間のより良い関係を考え直すヒントを与える一冊(青弓社、2,800円+税)。