フロント/話題と人川瀬 杏子さん(創価大学法学部2年)
2026年01月15日グローバルネット2026年1月号
肌で感じた先住民の生き方
~COPでの学びを糧に、新しい一歩を模索中~

川瀬 杏子(かわせ きょうこ)さん
創価大学法学部2年
「地球の肺」、ブラジル・アマゾンで昨年11月に開催された国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)は、「ネイチャーCOP」として注目された。熱帯林の保全に向けた議論が展開され、自然と共に暮らしてきた先住民族も大勢集った現場に、日本の若者が飛び込んだ。
大学で国際政治と環境政策を専攻する川瀬さん。一年次に参加した政策立案コンテストでは、気候変動により激甚化する災害の減災について政府に提言を行い、二年次に入り、アマゾンの先住民族の土地権利や森林保護との関連を研究。自然を資源ではなく命の循環の一部として捉え、人間の生活を支える森の大切さを深く理解している先住民族の生き方には、環境政策の指針になる大事な哲学があると感じた。「先住民族に会いたい」―彼らの哲学を直接学び、将来の活動や仕事に生かしたいとの思いで、COPへの参加を決めた。
現地では、正式な交渉と並行して開かれていた「アルデイアCOP」に参加。国内外の385の民族から3,500人が集い、先住民族が直面する問題を議論し、声を上げていた会場で、15人の先住民にインタビューをした。政府に対して恐れずに声を上げ、権利を要求し続けてきた彼らの姿や、「森は私たち先住民族だけでなく、世界中すべての人々にとっての命」などの言葉に胸を打たれた。音楽や踊りを通して、楽しい雰囲気で抗議行動をする姿も印象に残ったという。
さらに、NGOのブースで開かれたアジアの若者による意見交換会にも参加した川瀬さん。それぞれの経験を共有する中で、自身も感じていた「何をやっても変わらない」という「無力感」を、海外の同世代も課題視していることに気付いた。
「楽しく自然に参加できる民主主義を、どうやったら作れるか」。COPでの学びを糧に、今後は自ら団体を立ち上げて、「若者の政治的有効性感覚」(個人の行動で政治や社会を変えられるという意識)を高められるような活動を構想している。帰国後の12月には、若者グループや渡航費などを支援してくれた団体の報告会で、現地での経験を共有した。
「私たちには力がある。同世代の仲間と一緒に行動を起こしていきたい」と語る。栃木県出身。20歳。(克)
