フロント/話題と人 浪越 悠介さん(株式会社浜田 O&M技術開発部)
2026年02月17日グローバルネット2026年2月号
若手社員のアイデアから生まれた新規事業
~太陽光パネルのリユース・リサイクル~

浪越 悠介(なみこし ゆうすけ) さん
株式会社浜田 O&M技術開発部
2012年に開始されたFIT(固定価格買取)制度により導入が急速に拡大した太陽光パネル。寿命や買い取り期間の満了に伴い、2030年代半ばから大量廃棄が予測されている。そのリサイクルは昨年8月、義務化の法案提出が断念された。しかし株式会社浜田(本社・大阪府)では、10年以上リサイクルに取り組んできた。
浪越さんは2003年に「浜田」に入社。2012年に社内の若手社員対象の次世代役員候補である「ジュニアボード」に選ばれ、新規事業を考える機会を与えられた。「浜田」は主力の蛍光灯処理などでガラス製品を扱ってきた強みを生かせることや、FIT開始でニーズが高まると感じ、2017年に太陽光パネルのリユース・リサイクル事業を立ち上げた。以来、事業の責任者としてリユース・リサイクルの普及に突き進んできた。
「浜田」では、まだ使えるパネルはリユース品として買い取り、リユースできないものはホットナイフという技術でガラスとセルシートを分離。板ガラスの組成分析を社内で行い、特許を取ったウォータージェット工法により樹脂を除去する。それにより水平リサイクルに必要な板硝子協会の厳しい残存物量の受入基準に適合し、素材の価値を維持したままのリサイクルが可能となった。板ガラスの原料はほとんど輸入に頼っていることや、安全保障、温室効果ガス排出削減の観点からも、ガラスの国内循環に対する関心は高い。
「浜田」は一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会を設立。メーカー、リース・販売業者、リサイクル機器メーカーなど志が同じ仲間が集まった。「国にも適切な太陽光パネルのリユース・リサイクルを働きかけていきたい」と浪越さんは意気込む。
浪越さんは「地元・大阪で就職したい」と「浜田」に入社したが、「人脈もでき、新しい仕組みを作ることができる仕事はやりがいがあり楽しい」と熱く語る。事業の立ち上げ以来、社長の後押しや新しい流れに乗ろうという「浜田」の社風が推進力になったという。
リサイクル資源を有価物化する静脈産業側の努力で、動脈産業側の製造・販売の在り方をも変えることができる、そんな拡大生産者責任(EPR)を上回る画期的な流れにつながる可能性に期待が膨らむ。(海)
