環境の本 ・テキサスに学ぶ驚異の電力システム~日本に容量市場・ベースロード市場は必要か?
・人権の世界地図

2019年08月16日グローバルネット2019年8月号

テキサスに学ぶ驚異の電力システム 日本に容量市場・ベースロード市場は必要か?

著●山家 公雄

米国で電力自由化が最も進むテキサス州の電力システム・事情を詳しく解説し、全米一の風力導入量を誇り、昨夏に予想された価格急上昇が起きなかった秘密に迫る。州都オースティン市の市営電力が料金システムを工夫している様子などを立体的に活写している。

日本政策投資銀行で電力を担当し、10年前からエネルギー戦略研究所長の筆者は、これまでにも米国やドイツ事情に切り込んできた。本書では、2020年に節目を迎える日本の電力システム改革の問題点が浮き彫りになる。「座礁資産」を抱える旧電力会社の救済策ともいえる政策の是非を改めて考えさせられる。 (インプレスR&D、1,800円+税)

 

 

 


人権の世界地図

原著●アンドリュー・フェイガン、訳●長島隆 他

木材やパーム油など海外から多くの原材料を調達する日本企業にとっては、サプライチェーン上の人権侵害のリスクへの対応はいまや必須事項だ。

本書はその人権にフォーカスを当て、各国の人権問題や国家間の人権の不平等、世界各地の人権侵害の現状を解説している。カラー地図と世界150ヵ国の国ごとのプロフィールとデータを使って、自由な表現とメディアの検閲、各地域の性的自由、人種差別、宗教的自由、障害者の権利の状況などを取り上げている。原著者は「すべての人間が人権を享受した世界を樹立することは、少数の人に制限された仕事ではない(中略)私たちすべてに対する挑戦」と訴える。時には眼を背けたくなる重いテーマである人権の基本的な問題を理解し、考えるきっかけを与えてくれる。 (丸善出、2,800円+税)

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