フロント/話題と人吉村 祐一さん(NISSHA株式会社 Re&Goプロジェクトリーダー)

2021年04月15日グローバルネット2021年4月号

リユース容器で手軽にテイクアウトを実現
~日本初!IoTを活用したシェアリング容器サービスRe&Go~

吉村 祐一(よしむら ゆういち)さん
NISSHA株式会社
Re&Goプロジェクトリーダー

手軽にコーヒーやお弁当をリユース容器でテイクアウトできるサービスが日本で始まろうとしている。企画したNISSHA(株)の吉村さんは電気系のエンジニア。環境負荷を下げる開発を行うことが世の中に役立つと考えていたが、深刻化するごみ問題の中でもとくに割合の大きい容器包装ごみを何とか事業を通じて減らせないかと思うようになった。そんな時、社会課題を解決する新規事業創出のためのインキュベーションプログラム※1参加者の社内公募があり、手を上げた。

プログラムでは2019年6月から4ヵ月間、他の参加者たちと一緒に生活しながら、容器包装ごみ削減のための事業アイデアを磨いていった。使い捨て容器の素材を環境に配慮したものに替えてもごみは減らない、リサイクルするにも回収する仕組みと後利用の課題もあることから、使い捨ての仕組み自体を変えるRe&Go※2のアイデアが少しずつ固まっていったという。

Re&Goはテイクアウトの際に無料通信アプリのLINEで登録し、容器に印字されたQRコードを読み込むというIoT技術を活用し、手軽に利用できる仕組み。システム面を開発したNECソリューションイノベータ(株)と共同で2020年12月1日~2021年2月14日まで沖縄県読谷村で実証実験を行った。コロナ禍での実施となったが「テイクアウト容器が急増している状況でもあり、課題解決につながるとポジティブに捉えた」と吉村さん。ユーザー利用容器数は250個、アンケート回答者の98%が「今後も積極的に使いたい」「機会があれば使いたい」と答え、参加した飲食店からも「環境に配慮しているというイメージアップにつながる」と好意的な声が寄せられたという。

今後は2022年後半の社会実装を目指し、さらに実証実験の実施を重ねながら容器の選定や仕組みの検証などを進める。そして、「テイクアウトに限らず容器のシェアリングサービスを広げていきたい」と吉村さんはその先の目標も描いている。

昨年末に生まれた長男が大人になる頃に「以前は使い捨てカップでコーヒーを飲んでいたんだよ」と昔話をするような、リユース容器が当たり前の社会を目指していきたい、と語る。(M)

※1 (株)フェニクシーが運営する、参加者が所属企業に在籍したまま社会課題を解決する事業アイデアを磨く「新規事業創出に向けた住み込み型プログラム」
※2 Re&Go の仕組みやサービスの詳細は特集(本誌P5~6)を参照ください(特集記事のwebサイト公開は2021年7月を予定しています)。

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