フロント/話題と人くまつ しんすけ さん(くまつ環境教育事務所)

2021年09月15日グローバルネット2021年9月号

コロナ禍の今だから近場の自然を楽しんでもらいたい
~『自然ガイドのネタ帳』を制作~

くまつ しんすけ さん
(くまつ環境教育事務所)
(写真は本人提供)

「パパやママに、近所の散歩道や庭で見つけられる動物や植物の自然ガイドになってもらいたい」。『自然ガイドのネタ帳』(※ WEBサイトはこちら)に込めた思いを、くまつさんはこう語る。このネタ帳は、茨城県結城市の住宅街にある自宅付近で見られる花や虫、鳥など身近な自然の1コマを、くまつさんが水彩イラストで表現し、今春からインスタグラムに毎日投稿してきたもの。6月からは、その動植物にまつわる裏話を書き加え、月ごとにまとめて電子書籍で発行している。

社会人になってから留学したカナダで雪が降らない暖冬を経験したくまつさんは「このまま地球温暖化が進めば大好きなスノーボードができなくなってしまう」と、環境問題に興味を持つようになった。そして帰国後環境コンサルタントとして気候変動関連の制度に関わる業務を担当する中で、環境教育の大切さを実感し、自然体験活動などを開催する自然学校で「自然ガイド」として働き始めた。

自然ガイドは、自然界で行われていることや、動物・植物それぞれが持つ個性や日常などを解釈して言葉で伝える、「インタープリター(通訳者の意)」とも呼ばれる仕事。自然の持つ面白さを、体験を通して伝えることで「腹の底から自然を好きになってもらいながら、自然を大切にする気持ちを育んでもらうことができる」この仕事にくまつさんは魅せられた。後に結城市に引っ越すことになり自然学校を退職。独立して、「一人自然学校」の自然ガイドがコロナ禍でもできることとしてたどり着いたのが「ネタ帳」だった。

ネタ帳では、これまでは自然体験イベントの参加者にしか伝えてこなかったさまざまな「自然ネタ」を惜しみなく披露。「ネタもイラストも自由にどんどん使ってもらって、笑ったり楽しんだりしてほしい」とくまつさん。投稿には「かっこいい! 息子に見習わせたい(威嚇ポーズのカマキリ)」「まさかこんな動物が近所にいるとは(実は身近にいるイタチ)」などの声が寄せられている。

「イベントは中止できても、子どもの成長は止められない」と話すくまつさんは、この秋冬に向けた発信ネタを練っている。(と)

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