フロント/話題と人寺井 正幸さん(オンラインコミュニティ「ごみの学校」運営代表)

2022年03月15日グローバルネット2022年3月号

ごみを通してわくわくする社会をつくりたい

寺井 正幸(てらい まさゆき)さん
オンラインコミュニティ「ごみの学校」運営代表

ごみを通してわくわくする社会をつくる―昨年2月に始まった「ごみの学校」は、この理念に沿って、衣類、食品、プラスチックなど、さまざまな種類のごみについてセミナーを開催し、情報共有を行うオンラインコミュニティだ。運営代表の寺井さんは、普段は大阪府高槻市の廃棄物処理会社で働く。オンラインコミュニティを始める前の2020年から、SNSで、身近な物が処理・リサイクルされる現場の様子や国内外のごみに関する情報をわかりやすく発信してきた。

田舎で生まれ、自然の中で育った寺井さんは、「自然環境のことを学びたい」と思い環境分野の学部に進学。卒業後、今の会社に就職した。入社後はまず、民間企業からの相談に応じて廃棄物の処理方法を提案する営業職を経験。今所属している経営企画室では、さまざまな業界の廃棄物処理の現場や国レベルの政策動向を注視し、会社全体の経営を企画する役割を担う。

「ごみの分野なら、どんなジャンルでも話せる」という寺井さんは、本業で得た知識をコミュニティの運営に生かす。400人以上が参加した第6回「プラスチック編」(先月26日開催)でも、寺井さんは「プラスチック=悪」と決めつけず、削減しやすいプラと削減しにくいプラに分けて、それぞれどう向き合うべきか、処理現場の写真やグラフを豊富に用いて客観的に語った。このような「現場の感覚」や「事実を語ること」を重視した内容が、企業関係者をはじめ、学生、主婦など幅広い層の心をつかみ、この1年、誰でも参加できる形式で6回、特定の学校や企業に向けた形式で50回余り開催し、合計1,000人以上に語り掛けてきた。各回1時間半、ほぼ毎週の開催にもかかわらず、「しゃべるのが好きな関西人」と自認する寺井さんにとって、つらいと感じることはほとんどないそうだ。

「今後、大人向けでは、実際にごみの現場を見学し、感覚的に現場に触れられるようなツアーを企画したい。子ども向けでは、僕が話している内容をパックにして、小学校の先生が教材として授業で使えるようにできたら」と語る。「3歳になる自らの娘に、どう伝えるか」という問いが、大人だけでなく子ども向けにも活動を展開する原動力だ。(克)

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