環境の本リニアはなぜ失敗したか

2023年11月15日グローバルネット2023年11月号

リニアはなぜ失敗したか

編●川村 晃生

リニア中央新幹線の建設に反対し、「ストップ・リニア!?訴訟」の原告団長を務める川村晃生・慶応義塾大学名誉教授が編者となり、環境アセス、残土処分、水涸れ、安全性などについて10人の専門家が問題点を指摘している。国策民営事業とされる国家プロジェクトを「失敗した」と評する理由は「アセスメントの杜撰さと住民無視」とし、このまま事業を続ければさらなる「破綻」を招くと厳しい。

JR東海が進めるリニア新幹線は2027年の完成予定(品川―名古屋)だったが、すでに大幅な延期を余儀なくされている。安全性を巡る取り組みとして紹介されているスイス・アルプスのトンネル事業(2016年完成、57㎞)は、国民投票までして社会的合意を得たという。この違い一つ見ても、わが国の国策民営事業は、地域住民や一般国民の声を置き去りにしていることがわかる。(緑風出版、1,500円+税)

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